試合結果RESULT

RESULT

エキシビションマッチその1「隕石対決」2021年4月23日(金)

WIN
アェンデ隕石
エキシビション
フォレストブルグ隕石
エキシビション

試合映像

レビュー[富岡尚敬:フォレストブルグ隕石]

フォレストブルグ隕石は、私が大学の研究者になって初めて獲得した研究費で購入した試料です。この隕石に高い温度や圧力をかけてドロドロのマグマにする実験に使っていました。フォレストブルグの故郷である小惑星の内部は700℃近い高温であったと考えられていて、全体がカチカチに焼き固められています。そのため、この試料を「すべらない砂甲子園」用にすりつぶすのは、かなり大変だったようです。また、対戦相手のアエンデ隕石と異なり、フォレストブルグは金属の鉄を多く含んでいます。金属鉄は、主成分の鉱物と比べて力をかけると変形しやすい(粘り気がある)特徴があります。そのため、鉱物粒子によくからまってスベりにくいのではないかと考えました。アエンデには圧勝!とタカをくくっていましたが、結果は惨敗でした、、、対戦後の砂を顕微鏡で見てみると、荒い粒が結構多く含まれています(写真)。固くて砕かれにくいフォレストブルグには、アエンデより大きな粒が沢山含まれていて隙間ができやすく、そのため、粒がコロコロと転がり踏ん張りがきかなかったかも。

勝者コメント

博士時代に死ぬほど研究した隕石です。その当時は、昼夜にわたりSIMSでこの隕石の分析をしていたのを思い出します。勝利の要因は様々な点があると思うのですが、同様の空隙率と密度の砂と対戦してみたいですね。またここで得られた物性情報は、もしかしたら炭素質小惑星での表層環境の進化や違いの理解に応用できるかもしれませんね。

敗者コメント

潤滑剤のような人間になれるよう、これからの人生もスベりまくります。