第1回アルゴ将来構想検討会

世話人:須賀利雄,細田滋毅

今年3月に行われた海洋学会春季大会シンポジウム「Argoの進むべき方向性―Argoによる研究成果と今後の展望―」では,多くの方のご参加のもと,多数の講演と活発なご議論をいただき,誠にありがとうございました.
おかげさまで,シンポジウムでは,これまでに構築してきたArgoをいかにして長期間持続しつつ,さらに発展させていくかについて,日本の海洋コミュニティとしての考えをまとめていくための貴重な意見交換・議論の場となりました.シンポジウムの結論の一つとして,継続的議論の場を設けることとなりましたので,今回世話役をJAMSTECのArgo担当者が引き受け,Argoの持続と発展に関心をもつ方々に広く集まっていただき,検討会を以下の要領で開催することとしました.


開催案内

【日時・会場】

日時: 2010年7月28日(水)午後1時30分〜5時
会場: JAMSTEC東京事務所
参加者:オープン

【検討内容】

Argoを持続するための方策

現在の日本のArgoの実施体制(予算、組織、人)には,今後Argoを持続する上で問題はあるのか?あるとすればどういう点なのか?米国(NOAA)やヨーロッパ(EuroArgo)など他国の現状と将来計画を示し,それらを参考にしながら,日本の問題解決の方向を考える.

多機能フロート・グライダー等による観測の展開

既存のArgo観測網(水温・塩分)を高度化し,気候モニタリングの充実させる必要はあるだろうか?具体的な例を示しつつ,その必要性と実施する場合の問題点について考える(例:深層・および極表層のT・S観測、観測網の高密度化).
また,近年,生物地球化学分野および生態系分野の研究・モニタリングに焦点が当たりつつあるが,フロート観測等の生物地球化学・生態系モニタリングへの活用が考えられるだろうか?またその場合の方策、問題点は何が考えられるか?(例:生物・化学センサー搭載フロート、グライダー)
上記のような観測網の展開の中で,何を新たにArgoに組み入れられるか,あるいは組み入れていきたいか?(準リアルタイムデータ公開が無制限に可能で,遅延モードQCの要求を満たす観測網が可能か?)さらに,組み入れた場合の具体的な実施体制については何を検討すべきか?(例:データ管理をどこがやるか?大型予算を組む方策は?機関・省庁間連携は?コンソーシアムのような枠組みはどうか?)

新規研究分野の開拓に向けたArgoの発展性

Argo観測網によって,今までにない種類の膨大なデータを得つつある.これらのデータと,例えば数値モデル解析とを組み合わせることによって,新たなサイエンスの開拓が可能であろう.これを実現するために,どのような形・テーマでの連携が考えられるか?


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