アルゴ計画推進委員会(設置要領)

平成17年6月10日
関係省庁等申し合せ

1.設置趣旨

世界気象機関(WMO)やユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)などの国際協力のもとで、全世界の海洋に常時約3000台のアルゴフロートを展開することにより全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視、把握するシステムを構築・維持する計画(以下、「アルゴ計画」という)が推進されている。
我が国においても、アルゴ計画に関連する事業を、ミレニアム・プロジェクトとして、平成12年度から省庁横断的取組として実施してきた「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」が、平成16年度で終了する。
本プロジェクトでは、大学、研究機関、関係省庁が効果的に連携することで、技術開発及び観測システムの構築、観測データの処理及び管理、国際協力体制の構築等の多岐にわたる活動を日本全体として統一的に実施する体制を構築した。
これにより、国際協力によるアルゴフロートの展開では、米国に次いで世界で2番目の貢献をしてきたとともに、観測データの品質管理、データ配信等においても世界をリードするなど、大きな成果を挙げてきた。
現在、国際協力のもと約1,800 個のアルゴフロートによる観測体制が構築された状況であるが、国際的には、目標の3,000個のアルゴフロートによる観測体制の構築及びその運営維持のため、現在も事業を推進中である。
アルゴ計画により、全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握する能力が飛躍的に向上し、水産資源の適切な利用・管理、船舶交通の安全確保等に必要な情報が提供できる。また、気候に大きく影響する海洋の変動が把握でき、地球温暖化をはじめとする気候予測の精度の向上を図ることができる。
そのため、ミレニアム・プロジェクトが終了する平成17年度以降も、引き続き関係省庁・機関間の緊密な連携によりアルゴ計画を着実に推進するため、「アルゴ計画推進委員会(仮称)」(以下、「委員会」という。)を設置する。

2.委員会の任務

  • アルゴ計画に向けた国際協力体制の構築及び推進に係る検討及び連携協力
  • アルゴフロートの展開に係る検討並びに連携協力
  • 観測データの処理、管理等に係る検討及び連携協力
  • 観測データの利用に係る検討及び連携協力
  • アルゴフロートの技術開発に係る検討及び連携協力
  • その他アルゴ計画の円滑な推進を図るために必要な検討及び連携協力

3.委員会の構成等

  • 委員会は、外部有識者及び関係省庁等の委員(別紙)により組織する。
  • 委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定める。
  • 外部有識者の委員は、本申し合せに係る関係省庁等の合意を経て、委員会の事務局が委嘱する。
  • 委員会は、必要に応じ有識者や関係機関からの出席を求め、意見を聴くことができる。
  • 具体的、詳細かつ機関横断的な連携調整を行うために、同委員会に、実務者レベルによる「作業部会」(仮称)を設置することができる。

4.委員会の開催

委員会は、年2回程度開催する。

5.委員会の事務局

委員会の庶務は、気象庁気候・海洋気象部及び独立行政法人海洋研究開発機構が共同でこれを行う。

6.その他

その他委員会の運営に関し必要な事項は、事務局の補佐を得て、委員長が委員会に諮って定める。

注:組織名は当時の名称

(別紙)委員名簿 (平成28年12月現在)

関係省庁等委員

  • 外務省総合外交政策局国際科学協力室長
  • 文部科学省研究開発局海洋地球課長
  • 水産庁増殖推進部参事官
  • 国土交通省総合政策局海洋室長
  • 気象庁気候・海洋気象部海洋気象課長
  • 海上保安庁海洋情報部環境調査課長
  • 国立研究開発法人海洋研究開発機構研究担当理事補佐
  • 国立研究開発法人海洋研究開発機構経営企画部企画課長
  • 国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境観測研究開発センター海洋循環研究グループリーダー

外部有識者委員

  • 花輪公雄  東北大学理事(委員長)
  • 久保田雅久 東海大学海洋研究所客員教授
  • 道田 豊  東京大学大気海洋研究所教授
  • 安田一郎  東京大学大気海洋研究所教授