出典
Hosoda, S., S. Minato, and N. Shikama (2006), Seasonal Temperature Variation below the Thermocline Detected by Argo Floats, Geophys.Res.Letters, 33(13), L13604, doi:10.1029/2006GL026070.
日本をはじめとする中緯度帯では、春夏秋冬の四季がはっきりしています。これは太陽高度の変化による日射の強弱によって引き起こされま す。海洋表層でも、日射による海水の加熱、あるいは風の強化による冷却などによる水温変化が、四季を生んでいます。そういった日射や風の影響が小さい中深 層では、一部の特殊な海域を除いて殆ど季節変化がないと考えられていました。全球アルゴ観測網が整備されることにより、2000mまでの水温変動をくまな く調べることが出来るようになりました。アルゴフロートの水温変化(WMOID:5900292、北緯15度、西経165度付近)を調べたところ、表層付 近に見られる高温(暖色系)・低温(寒色系)の四季サイクルが、1000mを超える中深層にもはっきり現れていることがわかりました。これは主に風の季節 変動が中深層にも伝わって引き起こされ、それが波(1年周期Rossby波と呼ばれます)となって海洋内部を西に伝播することが原因です。
Hosoda, S., S. Minato, and N. Shikama (2006), Seasonal Temperature Variation below the Thermocline Detected by Argo Floats, Geophys.Res.Letters, 33(13), L13604, doi:10.1029/2006GL026070.