(a)高精度な3D構造モデルに基づく自動震源決定システムの開発
課題代表
汐見 勝彦
防災科学技術研究所
地震津波防災研究部門 副部門長
南海トラフの地震活動の現状を迅速かつ精度良く把握するため、海陸統合三次元地震波速度(3D)構造モデルの精緻化を進めるとともに、3D構造モデルを用いた自動震源決定システム及び通常と異なる地震活動の検出を行うためのシステム開発を行います。
(b)プレート固着・すべり分布のモニタリングシステムの構築
課題代表
太田 雄策
東北大学大学院理学研究科 准教授
南海トラフにおける巨大地震震源域のプレート間固着・すべり状態を検出し、迅速に情報発信するために、現実的な3D構造モデルに基づいた、プレート境界及び分岐断層等の海域断層を含めた固着・すべりを、3D構造モデルの不確実性を含む、推定の曖昧さとともに定量化するシステムの開発を行います。
- Ryoichiro Agata, 2020, Geophys. J. Int., https://doi.org/10.1093/gji/ggaa116
- Yamaguchi et al., 2017, Geophys. J. Int., https://doi.org/10.1093/gji/ggx203
- Hori et al., 2021, Earth, Planets and Space, in press.
(c)3Dモデル・履歴情報を用いた推移予測
課題代表
堀 高峰
海洋研究開発機構海域地震火山部門
地震津波予測研究開発センター センター長
南海トラフにおいて一定規模以上の地震が、想定震源域あるいはその近傍で発生した場合や、通常と異なるゆっくりすべりが進行した場合に備えて、現実的な3次元粘弾性地下構造モデルを構築し、地震履歴ならびに固着・すべりの現状把握の結果を受け、その後の推移を予測する手法を確立します。