KS14-20 新青丸航海日記(2014年10月17日~10月26日)

2014年10月26日 帰港

  • 06:00 起床
    居室の片付け
    08:00 研究室の荷物を甲板に運び出す。本船は岸壁へのアプローチ開始。
    10:00 JAMSTEC岸壁着。艤装解除。12:00に終了。
    昼食後、下船。希望者を展示館に案内。ここ数年、展示館のディスプレイがグレードアップしたおかげで案内する自分は少し自慢気。JAMSTECの船、潜水船、ROV、そして様々な研究内容を見聞でき、見学者は満足した模様。日曜日なのでJAMSTECグッズが買えないのが残念そうであった。

  • 以上、これを持ちまして本航海日記を終了します。あらためて首席研究員ほか乗船者一同、船長ほか乗組員一郎、そして陸上で本航海をサポートして下さったAORI / JAMSTECの皆様に心から謝意を表したいと思います。

航海参加者

2014年10月25日 後片付け

  • 06:00 起床
    現在、館山沖。本船は横須賀をめざして航走中。

  • 朝から一斉に後片付け。JAMSTEC分はパレットを組み立てそれに詰めていく。多くはむつ研究所行き。一部は横須賀本部行き。今回の帰港はJAMSTEC横須賀本部、何かと便利。
    13:00 房総半島を回って東京湾へアプローチ中。
    各部署、海外組、ほぼ陸揚げ準備完了した模様。
    午後には横須賀沖に到着。八景島シーパラダイス、住友重工のクレーンが見える。夜は在庫処分の反省会。

  • <今回覚えた英単語>
    外国人といっしょにいると必要にせまられ新たな英単語を知ることになる。
    ○ 断食:fast
    食事が多くて太ってしまう、だから夕食は食べないの、というNuriaとの会話の中で。「ちなみに朝食:Breakfastは、断食をやめる、が語源ですよ」とJAEA Sくん。Good To Know!
    ○ 仏壇:Buddhist (or family) altar
    ベジタリアンのErin。サラダとフルーツの特別食が出された時に、ご飯は食べる、といって湯のみにご飯を入れようとしたので、それは仏様に供えるご飯の入れ方だよ、と教えようとした時。“Religious furniture”とその場をしのいだ自分が悲しい。
    ○ 観念的:ideational, platonic
    バルセロナ出身Nuriaは何と村上春樹のファン。村上春樹の小説を彼女がこう表現した。トレイルランナーである彼女は、マラソンランナーとしての彼も尊敬しているようである(彼はサブ4)。日本で食べた“枝豆”のことを“青豆”と言ってしまう彼女。ちなみに“青豆”は「1Q84」の主人公の名前。

朝焼け(撮影:東海大 西川)
夕焼け(撮影:東海大 西川)

2014年10月24日 観測最終日

  • 06:00 起床。
    北緯38-15度、東経141-21度。船速0.3knot。航跡図ではまだ石巻湾口。
    気温13℃、気圧1021hPa。コーヒーを持ってデッキへ。きれいな朝焼け。空気が冷たく肌寒い。乗船中に季節は秋に。陸が見える。あれは塩釜?石巻?

  • =居室に戻ってメールのチェック。夜のメールは外国から。ウッズホールのKenからは得られたサンプルの処理について。メリーランドのRaleighからは来週の会議について。BGMはNHK BSプレミアムの “クラシック倶楽部”。陸に近くテレビが見られるのがウレシイ。=

  • 06:30 船速10knot。針路172度。本船は航走開始した模様(居室に窓がないので船内LANの航海情報で確認)。

  • 午前中は居室で来週の出張準備。インターネットで関連論文など資料調査ができるのでありがたい。

  • 昼食後、外国人チームの荷物輸送について打合せ。WHOIの荷物は東大大気海洋研(AORI)から、チューリッヒ工科大学(スペイン娘Nuriaの大学)への荷物はJAMSTECから発送する等を確認。
    =チョッサー(一等航海士)より水が厳しくなってきたので今夜からシャワーのみにするとの通告あり(昨日までは2日に1回、湯船に湯がはられた)。沿岸に近かったため航海中は造水しなかった模様。=

  • 14:20 観測点J07 (36-47.9N / 141-15.0E)水深210m
    CTD観測
    続いてマルチプルコアラ
    うねりが大きかったが、無事海底堆積物採取に成功。どの程度、放射性物質が蓄積しているか?その存在形態(有機物に吸着しているのか?鉱物に吸着しているのか?)、吸着・脱着速度、不均一な分布、そして再懸濁・再輸送・再堆積過程等については議論中。そして未だに、たまに、見つかる放射性物質濃度が比較的高い魚。その餌は陸から運ばれてくる物質?それとも海底堆積物?まだまだフクイチ起源放射性物質の環境中での動態・挙動について不明な点が多い。

  • 本航海は陸・海・空の研究者が、フィールド観測・分析・モデル手法を駆使しオールジャパン体制で実施している「福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究(ISET-R)」の一環である。詳細は以下のURLを参照。
    http://www.ied.tsukuba.ac.jp/hydrogeo/isetr/ またISET-Rのみならず、国内の研究者・学会が福島原発事故に対してどのように取り組んで来たかを紹介した本が最近出版されたのでそちらも参照されたい。
    『原発事故環境汚染 福島第一原発事故の地球科学的側面』
    中島 映至, 大原 利眞, 植松 光夫, 恩田 裕一 編
    東京大学出版会
    http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-060312-6.html

  • 18:20 N03 (36-30N / 141-00E) 本航海最後の観測点
    18:30 CTD採水

  • JAEAエリナさんの放射線量測定の後、サンプリング開始。彼女にとっては初めての海洋観測。採水、採泥、加えて係留系のお手伝い、大変良く頑張りました。おまけに外国人2人と相部屋で朝から晩まで英語シャワー。“船上留学”も果たしました。
    19:00 プランクトンネット(ORI, NORPAC, IKMT)
    待ち時間の長い仕事。忍耐力が必要。
    23:10 マルチプルコアラ
    最も重要な地点、ということでコア8本採集。実験室で溶出実験等にも使用するため、とのこと。
    23:40 ろ水計キャリブレーション
    プランクトンネットのろ過量を測定する装置。100mを5回。灯りにひかれて多くの魚がワイヤーの回りに集まる。釣り竿を片付けてしまったAORI Tくん。実に悔しそう。

  •  これにて本航海の観測が終了。曜日指定があった係留系作業、荒天待機があったにもかかわらずほぼ100%の達成度であった。バクチ的要素が強かった“釣り観測”も船側の献身的な協力によりそれなりの試料採取(釣果)があった。

海底堆積物サンプリング
動物プランクトンサンプリング

採水
沈降粒子採取

2014年10月23日 避泊

  • 06:00 起床
    北緯38-11度、東経141-23度、気温12.5℃、気圧1019hPa、
    本船は避泊のため塩釜港沖へ向けて航走中。
    昨夜はかなり“がぶられ”(船体が波に乗り上げ、たたかれ)船体動揺が激しかった。

  • 夕方までは塩釜沖で荒天待機の模様。
    研究室ではデータ整理・サンプル処理が続くが、自分は少しづつ片付けモードに入る。塩抜きのために水につけていた金物の天日干し。工具の塩抜き、観測、グリスアップ。高圧洗浄機・流向流速計のパッキング。まだサンプル処理をしている人達を刺激(?)しないように。

  • =昼食はカレーライス。半熟卵、チーズがたっぷりのったグラタンとコラボした「新青丸」オリジナル。「みらい」のYUSENカレーと甲乙つけがたいオイシサ。あまり働いていないのにおかわりしてしまう=

  • 13:00 記念撮影

  • 夜、本航海初めての懇親会。船員さんも加わり楽しい時間を過ごす。

  • 本航海も実質後2日。観測点は南の測点2点を残すのみ。

現場ろ過
放射線測定(採水、採泥試料は全て放射線測定後にサンプリングを始める。測定担当はJAEA エリナさん。ところで今回の女性乗船者の名前はErin, Erina, Nuria、と良く似ている)

2014年10月22日 フクイチ沖1.5kmでの観測 他

  • 05:20 起床
    気温14.7℃、気圧1013hPa、風速11m/sec

  • NP0 (37-25N / 141-30E) 観測
    フクイチから1.3km。最短距離の観測点。水深8m。
    06:00 CTD採水、表層Ra観測
    天候:小雨、昨日までと異なり波高高く、白波も見える。
    フクイチが間近に見える。元の原子炉建屋2号機、建屋カバーの1号機、4号機。建屋カバーがない3号機。無傷だった5、6号機。タービン建屋….排気塔…. 修復作業のためのクレーン…..左手に見えるのが約1000個の汚染水タンク群か?!不謹慎ではあるが感動に近い不思議な気持ちになる。
    06:20 採水器ondeck。放射線量測定、まったく問題ないのを確認した後、採水開始。

  • 07:15 現場ろ過(3hr)
    水深が浅すぎるので少しだけ沖に移動。水深約15mのところで水深7mの現場ろ過。

  • =実験室ではErin, Nuriaがサンプル処理中。MWJ TくんはCTDデータ一次処理中。採水室のバケツには新たな“釣果”が。今朝未明、AORI Tくんが釣った“鯛”も氷漬けになっている。魚種によって、生息場所によって、また栄養塩段階によって放射性物質の蓄積量がどのように異なるのか?本航海のメインミッションである。ただし船上で測定した表面放射線量はバックグラウンドに近い。=

  • =ブリッジから双眼鏡でフクイチを観察。敷地内の多くのガレキ、防護服姿の作業員が見える。ニュースでは本日から1号機の建屋カバーの解体作業が始まると言っていたが……=

  • 10:30 ネット二種(ORI, NORPAC)
    12:00 マルチプルコア
    12:40 釣り観測および表面海水連続ろ過
    外は雨。しかしそこは太公望達、そんなことではひるまない。
    14:40 離脱

  • 15:00 RA3’ (37-15N / 141-4.75E)
    表層Ra観測
    福島第二原子力発電所沖
    15:30 RA2N (37-10N / 141-5.00E)
    表層Ra観測
    16:20 RA1N (37-5N / 141-5.00E)
    表層Ra観測
    海況が悪くなってきた(推定波高2m)。本船は甲板—水面間が約3m程度なので、波が甲板を洗うようになってきた。
    17:20 RA3 (37-0N / 141-5.00E)
    表層Ra観測
    17:30 終了

  • 本船は荒天回避のため北上し塩釜港に向かう。今夜は暴露部(屋外)への出入りは禁止。表層Ra観測で集めた海水のろ過ポンプの交換ができない。とりあえず荒天用に大型バケツの固縛をしっかりして明朝まで放置することに決定。
    皮肉にもWHOIチームにとっては良い休憩になった。

東京電力福島第一原子力発電所(フクイチ)
フクイチ沖でのORIネット観測

2014年10月21日 福島沖観測

  • 02:00 現場ろ過揚収。
    続いてネット三種、そしてマルチプルコアラ

  • 05:00 RA5 (37-25N / 141-8.35E)
    CTD採水、表層Ra観測。
    表層Ra観測はWHOIの観測。表面海水を甲板に展開した巨大バケツに450Lくみ上げ、それを自動ろ過。粒子態と溶存態の放射性核種をそれぞれカートリッジフィルターと吸着剤で採取。終了まで約8時間。複数のサンプルが処理できるように甲板にはオレンジの巨大バケツが12個並ぶ。

  • =観測終了後、サンプル処理を待つために、かつ福島沖の海底地形を知るために一旦南下し福島沖約5kmを北上、北の点に向かう。09:10頃フクイチ沖を通過。左舷には多くの人が集まる。2011.3.11以来フクイチ事故調査に関わってきた自分にとってもフクイチを肉眼で見るのは初めて。=

  • 10:00 NPE2 (37-30N / 141-4.75E)
    CTD採水、表層Ra観測、プランクトンネット二種、加えて釣り観測。本日の釣果はアジ、フグ、ヒラメ、メバル。なお表面放射線量は極めて低くバックグラウンドレベル。

  • 14:30 NP2 (37-25N / 141-6.00E) 再びフクイチ沖東西観測ライン。フクイチからの距離約5km。
    CTD採水、ネット三種、現場ろ過
    次から次へ、息つく暇もなく観測。MWJ Tくんの話では新青丸航海はいつもこんな感じとのこと。乗組員はワッチを組んでいるが、乗船者は総員総出。短期決戦型なのだと実感。

  • 20:30 RA6 (37-25N / 141-45E)
    表層Ra観測。
    フクイチから3.2km。真っ暗な海岸にポッカリ浮かび上がるフクイチ。

  • 21:30 NPE1 (37-20N / 141-4.75E)
    CTD採水、表層Ra観測、ネット三種。

Ra観測(600Lの海水を処理)
釣り観測(本航海では釣りもりっぱな観測手段。回遊魚、底棲魚、イカ、タコへの放射性物質蓄積状況を調査する。研究者、技術員、乗組員、太公望がいっせいに釣り糸をたらす。他の観測に比べると、どうみても皆さん、活き活きしている。第二研究室は魚屋の様相を呈し、臭いを発している。)

2014年10月20日 Stn. K06:マルチプルコア、N01:ネットほか

  • (嵐のような昨日のせいか、体の節々が痛い)

  • 未明にN02 (37-0N / 141-30E) にてCTD採水、ネット三種。

  • 08:00 K06 (37-20N / 141-40E)
    CTD採水、マルチプルコア
    JAEA Oくん、採水、採泥、そして係留系、現場ろ過にフル出場。大学時代、良い研究室で良い先輩に良く鍛えられたのでしょう(。。。。。)。

  • マルチプルコアの時にウインチ操作室へ。外からその場所はわかっていたがなかなか入り口が見当たらない。結局、ブリッジの後ろ、第一研究室奥から入室するのであった。ペンレコーダー(ペンレコ)が見当たらないので張力変化モニターをどうするのか見ていたら、アナログで机上の端末画面に張力の時系列が表示されていた。終了後はデジタル値が電子ファイルで入手できるとのこと。かつてはペンレコ記録用紙がどんどんたまっていったがこれならその心配は無用である。

  • =次の観測点まで回収したガラス球を高圧洗浄器で洗浄=

  • 10:50 N01 (37-30N / 141-30E)
    CTD採水、ネット三種(ORI / NORPAC / IKMT)。
    ネットは東海大のN教授、クラゲを研究しているMくん、そして海洋研観測推進室のTくん。この3人で大型多段式ネットMOCNESSも実施しようと考えていたらしい。自分は同等のネットIONESSを地球観測船「みらい」で経験。最低でも10人で作業をしていた。3人(手伝えたとしても6人?)じゃとてもとても。なおネットのIKMTはIsaac-Kidd Mid-water Trawlの略。

  • 午後は昨日回収できたセジメントトラップ試料の整理。昨年の7月から約1年間の間に取れた沈降粒子。採集量を確認しながらカップ表面の洗浄、シール、マーキング、そして袋詰してケースに収納。11月中には前処理をして12月にはウッズホール海洋研究所(WHOI)へ送付し放射能測定、一部はJAMSTECで主要成分の分析。ただし事故から既に3年が経過。沈降粒子中の濃度は検出限界以下の可能性が高い。

  • 16:00 NP3 (37-25N / 141-18E)
    フクイチ沖の東西観測最東点。フクイチまで水平距離約20km。遠くにフクイチが見える。
    CTD採水、ネット三種、マルチプルコア、加えて“釣り観測“。釣果はゴマサバ、アジ、イカ。

  • 20:00 RA4 (37-25N / 141-14.35E)
    表層Ra観測。今回からカートリッジフィルター交換など少しお手伝い

  • 21:30 NP1 (37-25N / 141-10.70E) 水深59m
    CTD採水、ネット三種、マルチプルコア、現場ろ過
    23:00 現場ろ過スタート。ひとまず居室へ。

マルチプルコアラ

2014年10月19日 Mission Impossible “ F1にて12時間以内で係留系回収・再設置”

  • 05:00 起床
    St. F1 (36-28N / 141-38E)
    気温16.7℃、気圧 1026hPa、風速4.5m/s。

  • 05:30 スタンバイ。久しぶりに自分が切り離し担当。少し緊張。
    05:45トランスデューサー投入。海面は穏やか。
    06:00 ENABLE command送信。感度良好、距離1400m(内心ホッ♡)。
    すぐに RELEASE command送信。上昇確認(内心ホッ♡)。
    06:06 浮上確認(内心ホッ♡)。その後は順調に回収作業。500mのセジメントトラップ、予定通りのスケジュールで沈降粒子の捕集に成功。
    しかし1000mトラップ回収時、上下のワイヤーがからんで揚収され、作業が中断(内心マズイ↓)。何とかデッキで縒りを戻し、事無き得る。1000mトラップ試料にも影響なし。しかしトラップ下部のワイヤーは予備のものに交換するはめに。
    07:23 切離装置ondeck。回収作業終了。

  • ここから再投入へ向けて大忙し。自分はセジメントトラップ・切離装置の電池交換、切離装置の作動確認、捕集カップ準備。JAMSTEC Mくんはお手伝いの皆さんと回収したガラス球はずし、再投入するガラス球組み立て、船側はワイヤーの巻き取り作業。その間にCTD観測、そして現場ろ過。現場ろ過のため再投入するトラップを高圧洗浄器で洗えない。しかし係留系作業は日中に終えなければならないので15時まで作業を待つわけにいかない。と、いうことで午後は6人がかりでぬれウエスでセジメントトラップの洗浄(付着生物除去)。そして上下のブライドル取り付け。現場ろ過終了後、ただちに高圧洗浄器で最後の洗い。時間は既に15:30。16:00には投入作業を開始しなければならない。ここからセジメントトラップ熟練者のJAEA Oくんに手伝ってもらって捕集カップへ防腐剤の充填とセジメントトラップスケジュール設定。その他の人は切離装置上下部分の組み立てと係留系部材の運搬。
    と、息つく暇がない間に時間は16:00となる。

  • 16:10 係留系投入開始。何とかお約束のじかんぎりぎりに間に合う。沈み行く夕日を船尾に見ながらトップブイ、ガラス球、セジメントトラップを次々と投入していく(17:00 日没)
    17:15 シンカーレッコ 約18分で着底。船のトランスデューサーが使用できたので17:45にはキャリブレーション(設置位置確認作業)が終了。ほぼ予定通りの地点に設置できたことを確認。

  • と、いうことでMission Impossible “ F1にて12時間以内で係留系回収・再設置”、が無事終了。本日の成功は、海況が良かったこと、切り離しを始め係留系回収作業がスムーズだったこと、係留系に損傷がなかったこと、係留系に熟知した乗船者とお手伝いがいたことに因る。どれか一つ欠けても成功しなかったであろう。来年からは同じような状況が続く。今後が大変。

  • 18:00 プランクトンネット祭り(ORI / NORPAC / IKMT)
    その後は放射能調査のための大型魚採集(釣り)

  • 23:00 離脱。N02(37-00N / 141-30E)に向けて航走開始。

セジメントトラップ投入

2014年10月18日 St.N04、FS1での観測ほか

  • (昨夜は、前夜祭のせいか、船酔いのせいか、21:00には就寝)
    06:00 起床。北緯38-57N 東経142-12E。本船は三陸沖を航行中。
    気温15.2℃、気圧 1019hPa、風速11.5m/s。
    今回はインターネットが使用できる。加えてBS放送が受信可能なので陸の情報には苦労しない(朝ドラもしかり)。

  • 朝食後、観測準備が本格化。採水器準備、プランクトンネット組み立て。実験室では既に表層海水のろ過、陸上(仙台、福島)でサンプリングされた水の処理等が始まっている。台風の影響で出港地が塩釜から青森港へ変更。それだけで24時間のビハインド。

  • 自分はJAMSTEC Mくんと係留系再投入の準備。本航海は係留系担当マリンテクニシャンが不在、よって研究者で全て準備しなければならない。慣れない手つきでワイヤー、チェーンを設計図通りに組み立てて行く。陸上でいろいろレクチャーを受けてきたとはいえ、いざ本番になると悩むこと、不安材料が次から次へ。

  • =朝からケーブル用ウインチの修復作業。絶縁が低下し、作動しないとのこと。これがなければ係留系作業が極めて困難な状況となる。機関部総出での作業の結果、午後には復旧。=

  • 13:30 St. N04 (37-30N / 142-0E)着。
    気温16.3℃、気圧 1021hPa、風速10.6m/s。天候晴れ
    CTD採水(ヨウ素測定用)
    この後は“ネット祭り”(ORI / NORPAC / IKMTネット)

  • 18:00 St. FS1 (37-20N / 142-10E)着。本航海の最東点(といっても日本海溝より内側だが)
    CTD採水
    マルチプルコア

    さらに“釣り観測”用の餌をとるための釣り。イカ

    夕食後、現場ろ過器のフィルターホルダー交換の手伝い。

  • 一方、明日の係留系回収のため切り離し装置、工具、高圧洗浄器などの準備。手伝ってくれそうな人たちに明日の作業内容を紹介。
    係留系作業ができるのは(F1地点で観測できるのは)明日(日曜日)、かつ日中のみ。

  • 22:00 F1に向けて航走開始。

CTD採水
NORPACネット

2014年10月17日 青森港を出港

  • 9:30 研究者ミーティング。自己紹介の後、PIの東海大N教授が航海予定をざっくり紹介。外国人が3名もいるので説明は英語。国際色豊かな航海の乗船経験豊富なN教授。慣れたものである。

  • 10:30 小雨の中、青森港を出港。弘前大学のTくんが見送り。
    各自、研究室、居室の整理。
    陸奥湾外へ。船体動揺が大きくなる。

  • 13:30 避難訓練の座学(海況が悪いため)、船内生活ブリーフィング、続いて乗船者会議。船長、チョッサー他乗組員と航海内容について確認、質疑応答。

  • 15:00 WHOIからきたマリンテクニシャンPaulくん、および日本原子力研究開発機構(JAEA) Oくん、JAMSTEC Mくんと現場ろ過器の電池装填。通信テスト。結果は良好であったが、WHOIから持ってきたポンプヘッドがJAMTECで準備した現場ろ過器には合わない可能性が発覚。PaulくんがWHOIへ確認開始。
    (Paulくんの別の顔はスキューバーダイビングのインストラクター。そして彼の兄は何とオリンピック金メダリスト!1996年アトランタオリンピック水泳100mバタフライ。スゲエ!)

  • 18:00 北緯41-29.3N 東経141-47.4E。気温14.5℃、気圧 1011.5hPa、風速11.6m/s。尻屋崎沖(下北半島北東端)を通過。これから太平洋側を南下開始。
    夜は昨年の係留系作業の記録を確認。そして係留系回収・再設置の準備の段取りを考える。


2014年10月16日 出港前日 機材搭載

  • 8時30分、新青丸に到着。9時から艤装(機材搭載)。10トントラック3台分の係留系機材、観測用機材、実験室関係品を搭載。午後、実験室内整理、居室整理。本船はインターネットが使用可!陸上との通信も問題なさそう。13時、予定されていた海外組が現れない(アメリカ人2名、スペイン人1名)。既に来日済みで仙台でサンプリングした海水は到着したのだが。。。。雨が降り出したので乗船者で彼らの荷物を室内に運搬。15時30分、海外組到着。道に迷っていたところを乗船研究者O君が発見、無事ピックアップし船へ運搬。16時、買い出し。今回は短期決戦。お酒を飲む暇果たしてあるか?18時30分、乗船者9名で会食。青森の海の幸、地酒を堪能。その後は、何にでも興味持つスペイン娘にカラオケ体験。スペイン語の曲を見つけるのに苦労する。

左からPaul (USA), Erin (USA), Nuria (ESP)

2014年10月15日 乗船のため移動開始

  • 早朝、むつ研究所へ向けて出発。14時30分到着。先週も準備のために同所に滞在したが、先週に比べるとぐっと冷え込み、紅葉が一気に進み始めた。15時、資材機材を青森港へむけて出荷。その後、自分も青森へ移動。