プロジェクトについて

概要

海洋観測、大気観測、数値モデル、衛星データ解析等の学際的(多面的)なアプローチにより、海洋の二酸化炭素吸収メカニズムである“生物ポンプ”における大気塵(エアロゾル)の役割を把握します。そして地球環境変化/海洋環境変化に伴う自然起源および産業起源エアロゾルの供給量、供給過程の変化が海洋生物ポンプをどのように変化させ、その結果、海洋の二酸化炭素を中心とする物質循環過程がどのように変化するのかを考察します。

達成目標

(1) 西部北太平洋亜寒帯/亜熱帯に供給されるエアロゾルを成分濃度別に測定し、人為起源・自然起源(ダスト)の寄与をそれぞれ見積もり、大気から海洋への物質供給の時空間変動に関する知見を得ます。

(2) 船舶観測、係留系観測で得られた同海域の生物ポンプに関する知見と合わせて、生物ポンプにおけるエアロゾルの役割(栄養塩?バラスト?それとも?)を定量化します。

(3) 衛星データや大気エアロゾル輸送シミュレーション等を用いて観測結果を時空間的にスケールアップし、近未来にエアロゾル供給量・供給範囲がどのように変化するのかを推定します。その結果、同海域の生物ポンプ(生物活動を介した大気中CO2 の吸収能力)がどのように変化するのか予測します。

観測研究概念図
観測研究概念図