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浮遊性有孔虫データベース
Globoturborotalita rubescens (HOFKER)
読み
グロボタルボロタリータ・ルベッセンス
和名
タマコウキダマ
分類
FORAMINIFERA - グロボタラメア綱 - ロタリイダ目 - グロビゲリニダ亜目 - グロビゲリノイデア上科 - グロビゲリニダエ科 - タマコウキダマ属
時代
現生
特徴
タマコウキダマのタイプ種である。成体の殻径は約0.25mmで小型である。殻はトロコイド状配列で、4〜4.5室の球形〜亜球形の房室からなる。主口孔は臍の中央部に位置し、旋回面側には補口孔をもたない。主口孔には明瞭な口孔縁(rim)がみられる。棘(スパイン)の断面は円柱状。殻は実体顕微鏡下でピンク色に染まって見えるため、本種と認定しやすい。電子顕微鏡(SEM)で見ると、殻表面の構造はアナウキダマ属(Globigerinoides)に似ている。熱帯~亜熱帯種。
種名の変更履歴
Globigerina rubescens HOFKER, 1956
生きている姿
北西太平洋から得られた生きているグロビゲリナ・ルベッセンスです。
仮足を出しており、殻のすぐ表面には黄色い小さな共生藻がいることがわかります。本種が共生藻をもつかどうかは不明でしたが、今回初めてその存在が確認されました。
太平洋外洋域と東シナ海で捕らえることができた貴重な生体写真です。この種は生息密度が低いためなかなか捕まえることができません。
電子顕微鏡写真
スケール:50μm
スケール:5μm
コラム、まめ知識など
本種はG. tenellusに形態が似ており、見分けにくいですが、実体顕微鏡下ではピンク色の殻をもつこと(カロチノイドの色)と、巻きの高さが高いことでG. tenellusと見分けることが出来ます。本種は生きているときは、殻の中に細胞が充填しているため、特徴的な殻の色であるピンクが認定しにくく、注意が必要です。筆者は二度ほど研究航海の最中に生体を捕まえたことがありますが、殻が小さいため、いずれもじっくり観察しないと見逃すところでした。