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浮遊性有孔虫データベース
Globorotalia truncatulinoides (d’ORBIGNY)
読み
グロボロタリア・トルゥンカトゥリノイデス
分類
FORAMINIFERA - グロボタラメア綱 - ロタリイダ目 - グロビゲリニダ亜目 - グロボロタリオイデア上科 - グロボロタリイダエ科 - マキウキダマ属
時代
現生
特徴
房室が臍側に尖って張り出す形状をした房室で構成され、側面から見て平凸型(planoconvex,umbilico-convex)。側面から見ると円錐形のような形状になることが特徴である。螺旋面がややくぼむ傾向がある。最終旋回は三角錐状の4.5〜5.5室で構成される。殻縁には縁取り(キール)が発達するが,G. cultrataなどとは異なり,キールは旋回面の縫合線には連続せず、最終旋回にのみみられる。臍は深く、主口孔には口縁唇(lip)が発達し、主口孔周辺には顕著な小突起が発達する。殻の最大長径は約1mm。赤道〜中緯度にみられる。生体は共生藻を持たない。浮遊性有孔虫の中で最も深い水深に生息する種であり、2000 m以深から生体が採取されることもある。生体は沈降粒子(マリンスノー)の中に入り込んでいることが多く、沈降粒子を主に捕食していると考えられる。年周期の生殖サイクルを持つと考えられているが、詳細は不明である。
生きている姿
生きているG. truncatulinoidesです。MTDネットという水平曵きのプランクトンネットを用いてとらえたものです。
電子顕微鏡写真
スケール:100μm
コラム、まめ知識など
G. truncatulinoidesは中緯度の温帯に分布の中心を持ちます。数百メートルの深い水深に生息しており、表層付近にはあまり産出しません。そのせいか、浮遊性有孔虫のなかでも大きくて重い殻をつくります。
旋回面がスパっと断ち切られたような(truncate)平面であることが特徴ですが、しばしば外周縁部が高くなり、すり鉢状になることがあります。我々は後期更新世の間に、北半球太平洋で巻き方向が一斉に変わるイベントが複数あることを発見し、浮遊性有孔虫の中ではもっとも新しい時代の指標となることを示しました。(Xu, Kimoto & Oda, 1995)。