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浮遊性有孔虫データベース
Turborotalita quinqueloba (NATLAND)
読み
タルボロタリタ・キュインキュエローバ
分類
FORAMINIFERA - グロボタラメア綱 - ロタリイダ目 - グロビゲリニダ亜目 - グロビゲリノイデア上科 - グロビゲリニダエ科 - コウキダマ属
時代
現生
特徴
低いトロコイド状旋回の亜球形の房室からなり、最終旋回の室の数は安定的に5つである。最終室の主口孔にフラップを伴うことで特徴付けられるが、これを伴わない個体も普通に見られる。殻の最大長径は約0.3mmと小型。低緯度から高緯度に産出するが、主な分布域は高緯度の寒冷な水塊である。
種名の変更履歴
Globigerina quinqueloba NATLAND 1938
サンプリング情報
産地: [141°14.3'E,41°28.5'N]
採取日: 2002年03月17日
生きている姿
G. quinquelobaは温暖〜寒冷な海に普通に出現します。日本近海では日本海を中心に、東シナ海北部から北海道沿岸域まで産出します。G. quinquelobaは共生藻類を持ちません。スパインの粘性は他の種類と比べて極端に弱く、大型の動物プランクトンは捕食できません。繊毛虫やバクテリアなど、小型のプランクトンを摂取していると考えられます。
電子顕微鏡写真
スケール:50μm
スケール:20μm
スケール:1μm
コラム、まめ知識など
G. quinquelobaは浮遊時に展開するスパインがきわめて細く、美しい種のひとつですが、本種の飼育は非常に難しいです。何を食べているかが不明だからです。この種の飼育では濾過海水では決してうまくいきません。しかし、未濾過の海水を用いることで長期間生存することが分かりました。海水中に懸濁している粒子か、微小な動植物プランクトンを摂取していると考えていますが、詳細はまだ分かっていません。
亜寒帯域で春先に大増殖することがあります。