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機械学習を用いた画像特徴量の抽出

スパースモデリングとは、複雑に見えるデータも本質的には少数の原因のみによって説明可能であると考えてデータ解析を進める数理・情報科学的方法論のことです。少ないデータだけからでも、最大限の情報抽出を可能にすることから、医療用MRI撮像の高速化や、2019年に世界的なニュースにもなったブラックホールの直接観測などにも役立っています。本研究プログラムでは、海底地形図の解析に関してもスパースモデリングが有効であるのでは、と考えました。つまり、ブラックホールの観測などと問題は同じで、限られたデータをできるだけ有効活用することで、地形の本来の姿を鮮明に復元するということです。

本研究プログラムでは実際に、写真の超解像を可能にした先行研究の手法を、自然科学で得られる画像データにも応用できるように改良し、海底地形図データへの適用を試みています。その結果、深層学習と呼ばれる最新のAI手法には及び ませんが、十分に高い精度での超解像が実現できることが現在までにわかってきました。さらに、超解像と同時に、その地域に特徴的な微地形のようなパターンも自動的に捉えることができることもわかってきました。これは、シンプルで明快な解析方法であるスパースモデリングならではの利点と考えることができます。現在、得られた特徴的なパターンを地質学や生物学などの自然科学分野の知見とも総合的に結びつけることで、防災や資源探査、環境問題などへの貢献に結び付けることができないか、様々な検討を加えています。

少数の画像パターンの足し合わせで地形を表現