JCOPE-Tとは
沿岸から外洋までの様々な海洋現象を再現予測する海洋循環モデル JCOPE-T を開発しました。JCOPE-T
は、海流変動の予測可能性を理解し社会応用を開拓する日本沿海予測可能性実験(JCOPE)において、第 3 世代(Third
generation)のモデルとして使われています。鉛直座標は、海底近くでは海底面に沿い、海面近くでは海面に沿うように設定されています(一般化シグマ座標)。水平方向の 2
次元分割による並列計算を行うようになっており、ベクトル型にもスカラー型でも効率的に計算を行うことができます。
数値計算スキームは、密度構造、大気強制、潮汐、河川流出を外力として駆動される地衡流・非地衡流を同時にシミュレーションできるように設計されています。
目的に応じて、極を除く全球の海洋から、日本近海、日本南岸各地まで様々な解像度で計算を行っています(図)。人工衛星やアルゴフロート、船舶、係留ブイの観測データを同化して海の初期状態を推定し、定期的に予測を更新しています。予測結果はリアルタイムに可視化され、船舶運航や漁業活動の支援等に活用されています。長期間、観測データをモデルに同化して作成した再解析データを研究者向けに配布し、様々な研究に活用いただいています。
-
モデル高解像度化と瀬戸内海
参考⽂献
- ヴァーラモフ、宮澤、「日本沿海予測可能性実験」のための海洋モデル大規模計算:並列化シグマ座標海洋循環モデル JCOPE-T、地球シミュレータ年報2020. https://www.jamstec.go.jp/es/jp/output/publication/annual/annual2020/pdf/2project/chapter2/II-3_miyazawa.pdf
お問い合わせ先
Email : miyazawa[at]jamstec.go.jp
※お問い合わせの際は、[at]をアットマークに変えてください。