このNIRAI KANAI(にらいかない)航海は、昨年度、JAMSTECの深海調査研究公募により採択された調査航海です。
深海では、常に新しく海洋地殻が作られるところや、古い海洋地殻が地球内部に沈み込むというダイナミックな動きが生じています。
その動きの原因であるマントルのプルーム運動を検証し、かつこれらの現象を具体的に観察し、実体解明をする目的で以下の(1)〜(3)の調査を実施します。また、海底には他にも海底火山や活断層が発達し、地球内部からメタンや硫化物を多量に含んだ熱水がわき出している熱水噴出域(Hydrothermal
Vents)もあります。そのような場所は、このような化学物質をエネルギー源とする特殊な化学合成生態系が形成されており、未知の生物が豊富に存在している可能性があります。本航海では「しんかい6500」により熱水生態系の詳細解明のため、(4)の調査を行います。
(1)東太平洋海膨(East
Pacific Rise)における海底が誕生する場所での海底の観察調査と試料採取
(2)フレンチ・ポリネシア(French Polynesia)におけるホットプルーム探査用の地震計の設置・回収
(3)南部東太平洋海膨の未調査域における海底地形の基礎調査
(4)ラウ海盆(Lau
Basin)・ケルマデック島弧(Kermadec Ridge)における南太平洋の化学合成生態系を含む熱水生態系の詳細解明に向けた生物学的深海調査
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プルーム運動とは
マントル内を上昇(又は下降)する熱い(又は冷たい)物質の流れのこと。
英語ではPlume Tectonicsと言う。