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インタビュー

准研究副主任
Bogdan Stefanov Vaglarov
海域地震火山部門 火山・地球内部研究センター
准研究副主任
Bogdan Stefanov Vaglarov
海域地震火山部門 火山・地球内部研究センター
自己紹介をお願いします!

私は、火山・地球内部研究センターに所属し、主な仕事は岩石試料の同位体分析です。我々のセンターでは、地球の地質学的プロセスを理解するために、掘削やドレッジによって海底から岩石試料を採取しています。私は、地球内部物質循環研究グループで准研究副主任として、採取された岩石試料のSr, Nd, Hf, Pb同位体分析を行っています。私は非常に高清浄度なクリーンルームで仕事をしていて、我々の化学分析に役立つような様々なツールや機器の開発にも参加しています。分析データは、各種プロジェクト研究を進めるために欠かすことができません。たとえば、我々の最新のプロジェクトでは、九州南方の海底火山である鬼界カルデラの形成過程の解明を進めています。

JAMSTECで働こうと思ったきっかけを教えてください

もともと私は都市や建物の水道システムを作る技術者でした。学生の時に化学と地質工学を専攻していたので、地球化学の道に進むのは自然な流れでした。別府にある地球科学関連の研究所で非常勤として働き始め、九州各地の水を採取するなど、研究室で実験サポート業務を行っていました。同位体分析についても学び、化学的処理や分析機器による測定をすることは自分にとても向いてると思いました。その頃、JAMSTECで新しい部署が発足し、研究関連のキャリアをスタートさせる機会を得ました。私は、JAMSTECの一員になることができ、嬉しさで胸がいっぱいでした。自分のスキルを生かし、常に学ぶことができるチャンスを与えてもらったからです。JAMSTECで働くことで、エンジニアとしての夢がかないました!

実際に働いてみてどうですか?

毎日数時間を実験室で過ごしています。特に「クリーンルーム」では、強い酸を扱うので、安全に対する厳格なルールを徹底し、空気の清浄度にも細心の注意を払う必要があります。同位体分析の作業はとても時間がかかり、手順が非常に複雑なので、集中力が必要なのですが、むしろそれを楽しんで作業をしています。具体的には、粉末状の岩石試料を強酸により溶液状態にしたあと、それをイオン交換樹脂などを使って対象の同位体(Sr、Nd、Hf、Pb、Ba)を分離します。その後、数々の工程を経て、ごく少量の試料をフィラメントにのせ、表面電離型質量分析計で同位体比を測定します。また、マルチコレクターICP質量分析計で同位体を測定することもあります。このICP質量分析計は部屋全体を埋め尽くすほど大きく高額な装置です。私は、世界トップクラスの研究室と比較しても非常に質の高い分析データを得て、それを研究者に提供しています。研究プロセスの一端を担い、地球に関する研究の発展を支えているという実感が、私の最大のモチベーションです。それから、JAMSTECには、芝生の広場、テニスコート、サッカーフィールド、それに訓練用のプールもあります。私は、昼休みによくサッカーをし、海に面した風景を毎日楽しんでいます。

仕事以外の日本での生活はどうですか?

日本で暮らし始めたとき、この先どうなるか具体的にはわかりませんでした。言葉の壁がもっとも大きかったのですが、漢字がわからなくても、多くの表示は英語でも書かれています。みんなフレンドリーですし、安全できれいなこの国が大好きです。日本人が夏祭りなどの年間行事を大切にしているのは素晴らしいことだと思います。週末もお店はいつでも開いていておいしい料理が食べられますし、散策する場所にも困りません。私は海の近くの住まいが気に入っていて、夏は毎週ビーチに行くのをとても楽しみにしているんです。冬には眺めのいい山岳地のリゾートでスキーをします。温泉文化もすごくよくて、本当に日本中どこでも温泉があってリラックスできます。それから、手頃な山でハイキングをしたり、初めての場所を散策したり、歴史スポットやパワースポットに行くのも好きです。神社やお城は保存状態もよく、素晴らしい建築物です。

Message応募を検討している方へのメッセージ

もしあなたの新たな可能性を見つけたいのならば、新しいつながりを作ったり、自らの研究を世界に発信するのにJAMSTECは絶好の場所です。研究設備は常に改良され、必要な機器や装置も揃っています。ただし、何より注目したいのは、多くの研究者がフレキシブルな考えを持ち、さらに、コラボにも積極的で、いつでも手を貸してくれることです。事務スタッフは、外国人研究者がうまく溶け込めるように手を尽くしてくれます。とにかく日本は魅力がいっぱいで、ここには常に新しい学びがあります。

2023.11.30公開

職員インタビュー