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インタビュー

准研究副主任
伊規須 素子
超先鋭研究開発部門 超先鋭研究開発プログラム
准研究副主任
伊規須 素子
超先鋭研究開発部門 超先鋭研究開発プログラム
自己紹介をお願いします!

超先鋭研究開発部門・超先鋭研究開発プログラムで准研究副主任として、液体CO2・海水・岩石の反応実験を実施することと、顕微分光装置の保守管理に携わっています。現職の前はJSPS特別研究員として11年、特任技術副主任として半年、JAMSTECで勤務していました。JAMSTECに来る前は東大でポスドクをしていて、その間に第一子を出産し、JSPS特別研究員の間に第二子、第三子を出産しました。JSPS特別研究員の採用期間は通常3年ですが、私の場合PDとして1回、RPDとして2回、続けて採用していただき、それぞれの採用期間内に出産・育児や新型コロナウイルス感染症の影響のため採用中断期間があったので、合計で11年もの間お世話になりました。学生とポスドクの時の研究テーマは地球初期の化石についての研究で、従来、形に基づいてきた微生物化石の分類に対して、化学組成も考慮して起源物質を特定する方法論の開発に取り組んできました。現在、夫と小学生2人、保育園児1人の5人家族です。

リスタート支援公募に応募したきっかけやこの公募の感想は?

知らないことを知ることは楽しくて、研究が好きなのですが、家族と一緒に過ごすことも大事で優劣がつけられないので、家族と同居して通うことができ、面白い事に関わることができて、働きやすい環境でなどと思いながら仕事を探していたところ、JAMSTECで新しくリスタート支援公募制度が創設されたことを知りました。要項を読んで、これだ!と応募させていただきました。すでにRPDとして再スタートを切っていて、夫の協力もあり、子供の体調不良の嵐の時代は過ぎて研究に費やす時間を増やすことができていたものの、子供それぞれの個性とともに、乳幼児期には乳幼児期の、学童期には学童期の大変さがあると痛感していました。リスタート支援公募は対象とする子供の年齢に小学生も含まれ、RPD採用経験者が応募でき、さらには定年制職員への移行審査資格がある、これ以上ない機会でした。また、募集職種の幅が広いことも魅力でした。私の場合、JAMSTECに所属する中で様々な試料を分析する機会があり研究者を支援する仕事にも興味があったことと、今後予想される生活と仕事を両立させることを考慮して、准研究職で応募しました。

携わっている研究は?

主に生命の起源に関する研究です。最初の生命はどこでうまれたのかという問いに対して、2022年にJAMSTECの研究者らが「液体/超臨界CO2仮説」を発表しました。詳しくは、JAMSTEC BASEなどで紹介されている記事(最初の生命はどこで生まれたのか? 謎の解明に迫る「新説」とは ~「液体/超臨界CO₂仮説」 前編ほか)をご参照いただきたいのですが、この仮説を検証するための研究計画のうちの1つに携わっています。液体CO2が周囲の海水と反応すると何が起きるかを明らかにする実験で、圧力容器に海水と岩石、液体CO2を入れて反応させて、海水と液体CO2それぞれにどのような元素が溶けるか調べようとしています。生命史の解明という大きな目標は自分が携わってきた研究と同じですが、今までとは異なる技術・知識が必要なので、周りの方々に教えてもらいながら、研究で用いる実験装置を運用・改良して、実験データを取得したり、関連する論文を読んだりして知識と経験を身に着けているところです。

今後の展望や目標は?

実験については、まだまだ目の前の課題に手一杯で展望を語れるレベルになくて(苦笑)、一つ一つのことに丁寧に取り組んで自分の専門性を高めることが目標です。今後も実験を進めてデータを積み上げていって、仮説の検証に貢献できればと思います。また、保守管理をしている顕微分光装置については、これまで培った経験を活かして幅広い試料の分析に対応できるように備えていきたいです。この実験/分析ならこの人と思われる存在になれたらと思いますが、必ずしも自分がいなくても、色々な方が利用できるように環境を整えることも心掛けたいです。予想通りの結果も予想外の事態も、どの研究も楽しみたいですね。

Message応募を検討している方へのメッセージ

このサイトをご覧になっている方の多くは子育て中でも研究や技術開発を継続あるいは再開しようと考えていらっしゃるかと思います。そのような意欲があって、リスタート支援公募というチャンスがあるのですから、ぜひ挑戦して欲しいです。JAMSTECの研究部門では、程度の差はあるかもしれませんが各自に裁量があり、仕事の調整がしやすいです。周りの方々の理解もあり、子育てに限らずライフワークバランスがとりやすいとも思います。そして海洋の研究のみならず多岐にわたる分野の研究が行われています。これまでの自分の知識・技術を活かすにも、新しく学ぶにも、とてもやりがいある職場です。

2024.05.15公開

職員インタビュー