2011年東北大震災以降の海洋生物への化学物質汚染の影響調査

東北マリンサイエンス拠点形成事業

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれにともなう津波により,東北地方の太平洋沿岸部において保管されていた高濃度のポリ塩化ビフェニル(PCB)を含むコンデンサーやトランスが多数流出したことが確認されています。そこで、三陸沖で採取された底魚を中心に、その可食部中に含まれるPCBのモニタリングを行っています。2016年11月時点の段階で、PCB汚染が広がっている証拠はないことを確認しています。今後も「東日本生態系変動解析プロジェクト」が続く、少なくとも2年にわたってこのモニタリングを継続する予定です。こういったモニタリングは「食の安全」を担保し、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用することを謳ったSGDsの目標14に貢献します。

2011年の津波前後において,東北沖で採取された生物試料および堆積物試料中に含まれるPCB濃度の時系列変遷。縦の点線が東北地方太平洋沖地震を示します。

海洋機能利用部門 生物地球化学プログラム
地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター 東日本海洋生態系変動解析グループ