海洋酸性化をモニタリングするための高精度pHセンサーを開発

SDG14に記載されている海洋酸性化に関する目標に貢献するためには、海洋における継続的なpHデータの蓄積が必要となっています。海水のわずかなpH変化を観測し評価するためには高性能な観測装置が必要となります。そこで、JAMSTECと紀本電子工業株式会社は長期間の海水pHモニタリング用に高精度pHセンサー(ハイブリッドpHセンサー:HpHS)を開発しました。HpHSは電極式pHセンサーと比色式のpHセンサーの2つの方式のpHセンサーを組み合わせており、高頻度で測定できる電極式のpHセンサーの値を現場において標準溶液で校正可能な比色式のpHセンサーの値で補正していきます。 西部北太平洋における生物化学的な時空間的変動を明らかにするため、ステーションK2(47°N, 160°E)での時系列観測が1997年から行われています。JAMSTECでは、K2においてHpHS、自動採水器、流向流速計、セジメントトラップなどからなるハイブリッド係留系を用いた海洋酸性化の影響を調査する時系列観測を2015年から始め、4年間にわたって4時間毎のpHデータを取得することに成功しました。HpHSは北極海や南極海でも係留観測を行い、世界中で継続的なpHデータの蓄積に貢献しています。

ハイブリッドpHセンサー
ハイブリッドpHセンサー構成図
ステーションK2の場所
ハイブリッド係留系
pH-CO2センサを搭載したトライトンブイ

研究プラットフォーム運用開発部門