深海デブリデータベース

海洋汚染や海洋生物多様性を含む海洋資源の保全といったSDG14に関する課題解決のためには、海洋科学に関する知識・情報の集積強化が極めて重要です。Voluntary commitment #OceanAction17602 (Data sharing and use for contributing to SDG14 on marine biodiversity and marine debris) として、JAMSTECでは、1980年代からの深海調査で得た深海ゴミの画像情報をデータベースとして公開しています(http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/dsdebris/j/index.html)(図1もしくは2)。このデータベースでは、JAMSTECが保有する「しんかい6500」や「ハイパードルフィン」などの潜水調査船や無人探査機等による潜航調査で撮影された映像や画像に映っている、深海に沈む“ゴミ(デブリ)”の情報を公開しています。 映像や画像から同定した海底ゴミの種類による分類や海底ゴミの情報リスト、潜航調査によって海底ゴミが観察された場所によって、深海に沈んだゴミの内容を確認することができます。また、海底ゴミが映っている映像や画像も見ることができます。そのデータを元に、プラスチックゴミ撲滅運動を展開する(http://www.cleanseas.org) 国連環境計画の関連組織と共同で、レジ袋のような使い捨てプラスチックが、私たちの日常からはるか離れた深海底のどこに、どれだけ分布しているのかを明らかにしました。これらの研究を発展させ、プラスチック汚染が陸上から外洋に運ばれ、蓄積される過程を明らかにすることにより、SDG14.1の達成に必要なベースとなる科学的知見を提供していくとともに、2025年までに14.1.の公式指標「海洋プラスチックゴミ密度」の開発に貢献します。

深海デブリデータベース
プラスチック袋の上に住み着いたイソギンチャク。通常は柔らかい底質の場所には付着できないが、プラスチックゴミが生息場所を与えている。

付加価値情報創生部門 国際海洋環境情報センター データ基盤技術開発グループ
地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ

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