海洋プラスチック汚染解決のための観測研究と革新的技術開発

SDG14.1「2025年までに、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」の達成を図るための公式指標のひとつが「海洋プラスチックごみの量」です。ごみとなって海洋に流れ込んだプラスチックは、腐らないために、推定数百年〜千年にわたって海洋環境に蓄積し、小さな島国の経済に影響を与えたり、海洋生態系を脅かしてます。プラスチックが劣化してマイクロプラスチックと呼ばれる小さな破片になると、有害な化学物質の運び屋となり、動物プランクトンや魚、サンゴなどの底生動物に誤食され、食物連鎖に取り込まれて、やがては人間の健康も損なわれる恐れもあります。しかし、海流に運ばれ世界の海に広がるプラスチックの振る舞いはまだ不明の点が多いのです。
JAMSTECでは、海洋のどこに、どれだけ、どのようなプラスチックごみやマイクロプラスチックが分布しているのか、いかにして蓄積していくのか、そしてその生態系への影響を明らかにするため、表層から深海にいたるまで多角的に観測を行っています。また、観測で得た試料を、迅速にかつ定量的に測定するための革新的な分析システムの開発を行っています。また、他大学や研究機関と連携し、特定の海洋環境で分解が促進される生分解性プラスチックの開発を目指しています。開発した新規素材が実際にどのような海洋環境下で分解されるのかを、海洋現場試験で検証するとともに、有効かつ標準化された海洋生分解性評価基準の策定への貢献を行っています。

マイクロプラスチックと一円玉
ニューストンネットを使って海表面のマイクロプラスチックを採集する

地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター
地球環境部門 地球表層システム研究センター
超先鋭研究開発部門 超先鋭研究プログラム
超先鋭研究開発部門 超先鋭技術開発プログラム
海洋機能利用部門 生物地球化学センター

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