多セクターとの協働による海洋プラスチック観測と海洋リテラシーの推進

SDG14.1「2025年までに、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」の達成を図るための公式指標のひとつが「海洋プラスチックごみの量」です。海に入ったプラスチックごみは海流にのって世界の海に広がるので、その過程や分布を知るには、国際的な連携のもと、地球規模でモニタリングをすることが望まれます。そこで期待されているのが、フェリー、タンカー船、レジャーボートなど民間の船舶との協力による観測網の充実です。
JAMSTECは、2019-2020年に実施された「日本ーパラオ親善ヨットレースにおいて」ヨット業界、民間企業と協働で、レース参加艇と伴走艇にマイクロプラスチック採集装置を設置し、日本からパラオにいたる航路上で連続サンプリングを実施しました。また、国連環境計画関連組織と協力し、レース期間中伴走艇に乗船した、パラオの児童らを対象に海洋リテラシープログラムを実施し、その取組は国際的に注目されました(A Better World)。同プロジェクトは、SDG14.1に加え、SDG17:パートナーシップの強化、SDG5:ジェンダー平等の達成へのコミットメントを掲げて実施しました。今後も、世界のプレジャーボートコミュニティらと連携し、同様のプロジェクトを推進していきます。

日ーパラオ親善ヨットレース中、レース伴走船デッキでパラオの児童に向けて海洋環境を教える
レース伴走船に設置したマイクロプラスチックサンプラー
横浜港で日ーパラオ親善ヨットレーススタートの様子(左が調査協力を依頼したTREKKEE号)

地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター

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