実施年度
2014
タイトル
海産二枚貝類の人為催熟のための内分泌調節メカニズムの解明とその応用
課題・テーマ
課題1 漁場環境の変化プロセスの解明
代表機関:東北大学
テーマ4 宮城県沿岸域における増養殖環境調査と水産増養殖技術の開発代表者 | 尾定 誠 |
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所属機関 | 東北大学 |
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所属部署 | 大学院農学研究科 |
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調査内容調査期間(調査頻度)2014/04/01 - 2015/03/31
調査地域・海域
女川湾およびその他実験海域
調査種別その他
調査概要二枚貝類の配偶子形成を上位で支配する神経ペプチドや内分泌関連遺伝子を種々の海産二枚貝類で同定し、内因性のホルモンよって誘導される生殖関連遺伝子群の同定を試みた。具体的には遺伝子クローニングや次世代シーケンサーによる網羅的な解析、さらには公開されているトランスクリプトームリソースを用いた解析を実施した。また神経ペプチドによる人為催熟に向けた、合成ペプチドのin vivo投与も行うことで配偶子形成に及ぼす効果の検討を行った。一方、海産二枚貝類の配偶子放出を抑制的に支配する神経タンパクの構造機能を明らかにし、卵や精子における産卵誘発ホルモン(セロトニン)との関係と作用機序を検討するため、タンパク質発現系を用いた融合タンパク質の作製を試みた。
調査実施内容
調査地域・海域の座標一覧
位置情報(点) | 名称 | 小乗浜 |
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座標値 | 38.437365,141.459654 |
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備考 | pyGnRH投与実験個体の垂下飼育地点 |
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調査地点図・航跡図・座標リスト
調査結果前年に海産二枚貝類の生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)遺伝子を、ホタテガイ、マガキ、イガイ、ウバガイ、マシジミにおいて単離したが、本年はさらにアサリ、ハイガイのGnRH前駆体遺伝子の単離に成功し二枚貝に共通したペプチド領域が推定された。またホタテガイの成熟過程の精巣におけるmRNAを次世代シーケンサーによって網羅的に解析し、GnRHの支配下にあると推定されるステロイドホルモン生合成酵素遺伝子について、本年は実際に遺伝子クローニングを行い全長cDNA配列を獲得した。また前年に同定した2種類のpyGnRHペプチドを合成し、それぞれをホタテガイにin vivo投与をおこなった。その結果、精巣発達の促進と卵巣における卵母細胞の成長遅滞を示唆する結果が得られ、人工催熟と性統御技術開発に利用可能な成果が得られた。
また、海産二枚貝類の配偶子放出を抑制的に支配する卵成熟休止因子(OMAF)の機能解析のための組換えOMAFタンパク質の作製を、新たなタンパク質発現系を用いて現在進行中であるがいまだ安定生産には至っていない。
調査項目と取得データ
調査項目 | 取得データ・サンプル |
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各種二枚貝の神経ペプチドの同定 | 種々の神経ペプチド前駆体の一次構造と推定ペプチド配列 |
神経ペプチドによる誘導遺伝子群 | 誘導遺伝子の網羅的解析による遺伝子群特定と機能推定 |
神経ペプチドによるin vivo投与実験 | 生殖腺の形態発達と種々のホルモンタンパク質・遺伝子マーカー |
タンパク質発現系を用いた融合タンパク質の作製 | 発現ベクターの構築 |
関連情報
実施(調査)窓口担当者
担当者名 | 尾定 誠 |
所属機関 | 東北大学 |
所属部署 | 大学院農学研究科 |
キーワード
実施年度 | 2014 |
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機関 | 東北大学 |
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調査種別 | その他 |
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海域区分 | 三陸南部 |
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分野 | 海洋生物・生態系 -> 生理
海洋生物・生態系 -> 対象生物:軟体動物
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