小型ROV「クラムボン」を用いた海底瓦礫および生態系調査

実施年度

2014

タイトル

小型ROV「クラムボン」を用いた海底瓦礫および生態系調査

課題・テーマ

課題3 沖合底層生態系の変動メカニズムの解明
代表機関:海洋研究開発機構
テーマ1 底層生態系変動解析並び環境影響評価
代表者藤原 義弘
所属機関海洋研究開発機構
所属部署東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム

調査内容

調査期間(調査頻度)
2014/09/27 - 2014/10/06
調査地域・海域
東北沖太平洋
0130_R01_map00.pdf
調査種別
調査航海
調査概要
本研究の目的は、震災後の沖合生態系の現状把握、特に津波瓦礫が与える影響を評価するとともに、震災前後での生物多様性の比較を、遺伝子レベルで実施することである。加えて調査海域において様々な食性,栄養段階の生物を採集して、津波によって陸上より流出した有害物質が海洋生物および環境にどのように蓄積しているのかを明らかにするとともに、セルロース等を分解する生物 および酵素探索のため木質瓦礫を採集する。またこの海域では海洋調査に必須の精密な海底地形図が震災後に作成されていないことから、本船搭載のマルチビーム音響測深機を用いた海底地形調査を実施する。

調査実施内容

調査地域・海域の座標一覧
位置情報(点)
名称CRB012
座標値38.568517,141.9535
名称CRB013
座標値38.571067,142.123417
名称CRB014
座標値39.253383,142.302433
名称CRB015
座標値38.90615,141.903867
名称CRB016
座標値38.608467,142.408267
調査結果
本航海では小型無人探査機「クラムボン」を用いた潜航調査,長期観測用ランダーの 設置,マルチプルコアラーを用いた採泥,VPR や ORI ネットを用いたプランクトン調査, マルチビーム測深器を用いた海底地形調査を実施した. 「クラムボン」による潜航調査では 2 回のテスト潜航と 5 回の調査潜航を南三陸沖,釜 石沖,広田湾沖などで実施し,ステレオマッピングやスラープガンを用いた生物,瓦礫の 採集などを実施した.今回の調査では漁業に影響を及ぼすような大型瓦礫は確認できなか ったが,小型の瓦礫は各地で観察した.なお前航海(KK-13-01 レグ 2)より導入したシン カーシステムと本航海より導入した 1,300m テザーケーブルを用いて,これまでの最大潜航 深度である 947.9m まで潜航した. NT13-21 航海で発見された巨大”バクテリアマット”域の長期観測を実施するため,フリ ーフォールにて釜石沖の海底谷(39°14.589N、142°18.208E 水深=764m)にランダーを設置 した.設置後にその状況を「クラムボン」で確認した結果,ランダーはバクテリアマット 域辺縁に正常な姿勢で着底していた. バクテリアマットの成因やその内部に生息するインファウナ,バクテリア,アーキアな どの多様性を明らかにするために,この巨大バクテリアマット域内外でマルチプルコアラ ーによる採泥を実施し,必要量の柱状堆積物試料を得た. 表層から深海底への繋がりを把握するために,中・深層において,VPR 観測および ORI ネットを用いたプランクトン採集を各 2 回実施した. また主に夜間を利用してマルチビーム測深器を用いた海底地形調査を実施した.

調査項目と取得データ

調査項目取得データ・サンプル
ROV潜航調査海底映像データ
ROV潜航調査CTD/DO
ROV潜航調査海底マッピングカメラで撮影した静止画(デジタルスティル写真)
ROV潜航調査ハイビジョン動画
マルチプルコアラー堆積物

関連情報

実施(調査)窓口担当者

担当者名藤原 義弘
所属機関海洋研究開発機構
所属部署東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム

キーワード

実施年度2014
機関海洋研究開発機構
調査種別調査航海
海域区分三陸南部
分野海洋物理 -> 水温
海洋物理 -> 塩分
海洋物理 -> 海流・潮流(流向・流速)
海洋化学 -> 溶存酸素
海洋環境 -> その他
海洋生物・生態系 -> その他
地形・地質・地球物理 -> 水深
地形・地質・地球物理 -> 地形
地形・地質・地球物理 -> 地質層序
地形・地質・地球物理 -> 堆積物
地形・地質・地球物理 -> 地磁気
地形・地質・地球物理 -> 重力