将来、地球温暖化が進行した場合、我が国のみならず世界的に、気候や激しい気象が大きく変化し、その影響が多方面に及ぶことが心配されています。将来の地球温暖化を精度よく予測する気候モデルの開発が求められています。本プロジェクト「人・自然・地球共生プロジェクト」で計画している高精度・高分解能気候モデルの開発は、世界的にも例がなく、実現すれば世界の最先端の成果となります。このようなモデル開発により、気候や気象に関する科学的理解が進展し、また、地球温暖化が台風、集中豪雨・豪雪等へ与える影響に関する知見が得られ、地球温暖化予測研究をさらに進歩させることが期待されます。

本プロジェクト（５年計画）では、地球温暖化が台風、集中豪雨・豪雪等の中・小規模現象に及ぼす影響を調べるために、台風等を世界規模で再現する20kmメッシュの全球気候モデルと、集中豪雨・雪等を広域で再現する数kmメッシュの雲解像大気モデルを開発します。開発に当たり、観測データによるモデルの検証を進め、モデルの改良に努めます。

また、開発したモデルを用いて、地球温暖化が台風、集中豪雨等に与える影響を温暖化数値実験により調べます。将来的には、本プロジェクトの成果を踏まえ、信頼性の高い地球温暖化に関する予測情報を社会に提供するための、実用化を目指します。