東アフリカの短い雨季のハイブリッド予測 A hybrid statistical-dynamical prediction of the East African 'short rains'

東アフリカの短い雨季(10-12月)に発生する干ばつや洪水を数ヶ月前から予測するためのプロジェクトです。AIと気候モデルを使ったハイブリッド方式で実現した早期予測を公開し、甚大な被害を緩和することに貢献します。
・「東アフリカの短い雨季指数」 (3–9月毎に準リアルタイムの将来予測情報をSINTEX-F季節予測システムのプルダウンから提供)
・プレスリリース
・Nature Research Highlights

VAiとは、様々なニーズに適合した情報を創生し、広く発信することで、政策的課題の解決や持続的な社会経済システムの発展に貢献することを目指すことです。

• 東アフリカの干ばつや洪水の予測情報の提供の提供

  世界各地から収集した海洋観測データを、NAMR上でSINTEX-F季節予測システムに初期値として取り込み、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」で、数ヶ月先までのインド洋ダイポールモード現象の発生予測計算を行い、その情報をAIモデルに入力するハイブリッド方式で、高精度な事前予測情報を、4DVE上で世界各地の気候研究者をはじめ、広く一般に提供します。例えば、2021年、2022年と、負のインド洋ダイポールモード現象が連続発生し、東アフリカでは極端な干ばつに見舞われ、現地はかつてない飢饉に襲われました。早期予測情報を応用し被害を軽減するための社会応用研究を飛躍的に発展させることは喫緊の課題です。その重要性は世界でも注目され、例えば、世界最高峰の総合科学誌NatureのResearch Highlightsで本プロジェクトが紹介されました。
  ・Devastating drought in East Africa is traced to nearby seas

NAMRとは数値解析リポジトリです（数値解析手法群：人工知能,スパースモデリング,有限要素法,粒子法,検証手法）

• 過去および最新の将来予測計算を実施

  海面水温と降水量の衛星観測データから、インド洋ダイポールモード現象の発生から東アフリカの干ばつや洪水を予測するAIモデルを作成します。
  世界各地から収集した海洋観測データを、NAMR上でSINTEX-F季節予測システムに初期値として取り込み、数ヶ月先までのインド洋ダイポールモード現象の予測計算を行います。
  二つの手法を組み合わせるハイブリッド方式で予測計算を実施します。
  ・NAMRの【東アフリカの短い雨季のハイブリッド予測】の解説
  ・プレスリリース
  ・SINTEX-F季節予測システムの概要

4DVEとは、解析データに時間変動も含めてマッピングし、ユーザ⾃らがシームレスに組み合わせて情報を取り出せるようなシステムを開発・整備します。通称四次元仮想地球と呼ばれます。

• 予測値の保存と提供

  NAMRによる気候予測情報を保存し、利用者に分かりやすく、見やすい形で提供します。
  ・「東アフリカの短い雨季指数」 (3–9月毎に準リアルタイムの将来予測情報をSINTEX-F季節予測システムのプルダウンから提供)