試合結果RESULT

RESULT

エキシビションマッチその3「コーヒー対決」2021年5月28日(金)

細挽き
エキシビション
WIN
粗挽き
エキシビション

試合映像

レビュー[星野辰彦:細挽き]

粗挽きハンバーグや粗挽きソーセージ、あるいは粗挽きペッパーなど、粗挽きという言葉は「美味」と置換できるほどポジティブな意味で用いられている。その一方で、細挽きという言葉を普段目にすることは少ない。それは、細引きが良いというのは自明の理であり、ことさら強調するまでもないことであるからであろう。
王道としての「細挽き」、覇道としての「粗挽き」どちらが滑らないのか、細vs粗挽き論争に終止符を打つ戦いがすべらない砂選手権エキシビジョンマッチとして実施された。
まずはコーヒーの味比べ。グラニュー糖大の粗挽きコーヒーと上白糖大の細挽きコーヒーをドリップで抽出した。麦茶を思わせるすっきりとした味わいの粗挽き、アメリカ人も納得の味である。一方、コーヒー本来の濃厚な苦味がガツンとくる細挽きには、コーヒー愛好家なら間違いなく軍配を上げるであろう。
いよいよ、摩擦試験機による対決が実施された。じわじわとトルクが上がっていく中、試験機に挟まれている粗挽きが細挽きに変化していく。摩擦機が石臼のような役割を果たしているのである。「これは結局「細挽きvs細挽き」の対決になるのでは?」と思い始めた矢先、プチプチという破裂音と共に粗挽き側の滑りが加速していく。そのまま、90度が回りきり結果は細引きの圧勝。コーヒーの味、滑りにくさともに細挽きの勝利となった。
実験中に聞こえた破裂音はコーヒーの大きな粒子が砕けている音であり、地震で断層が滑る時に起きている「スティックスリップ」が観察されたことがわかった。予想もしなかった副産物であったが、今後、コーヒー豆を使って地震の発生メカニズムに迫る実験を行うことができる可能性ある。
「だから、やってみなくちゃ分からない、すべらない砂甲子園で」

勝者コメント

今回は、コーヒ文化研究会の会長として推薦した細挽きコーヒーが、味的にもすべらなさ的にも圧勝ということで非常に嬉しい限りです。この結果が導き出す結論は、「すべらないほどコーヒーは美味しい」です。この仮説を立証するべく、今後はコロンビアvsキリマンジャロ、浅煎りvs深煎り、あるいは、こしあんvsつぶあんなどを実施していきたいと思います。

敗者コメント

奇しくも敗者となってしまいましたが、今後も、なるべく歯医者のお世話にならないように気をつけながら、コーヒーを愛飲したいと思います