IODP3 第502次研究航海
東北沖プチスポット探査
航海期間:2025年10月31日〜11月24日
IODP3 第502次研究航海
東北沖プチスポット探査
航海期間:2025年10月31日〜11月24日

科学テーマ
掘削調査地点は東北沖、日本海溝にプレートが沈み込む前のとある部分。音波を使った探査により、この部分は堆積層が非常に薄いことがわかっています。研究チームは地震や海底火山に関する物理観測データを組み合わせ、仮説を立てました。
それは「堆積物がかき乱され、薄くなっているのは、“プチスポット・マグマティズム”とよばれる火山活動によるものではないか。また、堆積物の厚さの違いが “地震がおきた際のすべりやすさ” に影響するのではないか」というもの。
「プチスポット」とは海底にある小規模な火山のことで、海洋プレートが沈み込む前、折れ曲がる際にマグマを噴出させると考えられています。プチスポットは2006年に三陸沖の海底で新たに発見されて以降、世界中で見つかっています。しかし、超深海にあるためサンプル採取や調査が難しく、その物理的・化学的・生物学的な影響についてはまだまだ謎の多い火山です。
IODP3 第502次研究航海では、水深約5,400mの海底の下に存在が推定されているプチスポットを地球深部探査船「ちきゅう」によりサンプルリターンすることで、この仮説の検証に挑みます。


研究航海の概要
掘削地点TPC-01Aにて、ワイヤーロギング検層とコア試料の採取を実施します。
ワイヤーロギング検層では、様々なセンサーが取り付けられたツールを用いて、地質情報のデータを取得します。これにより、堆積物と火山岩との境界や地下構造の詳細が明らかになります。コア試料の採取では、海底下の堆積物から火山岩に至る目標深度まで、9.5mずつ連続した円柱状の試料を採取していきます。これらのコアは船上で観察・分析され、堆積学、岩石学、構造地質学、古地磁気学、地球化学など、多方面から研究が進められます。

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