MR18-05C みらい観測航海日記(2018年10月23日~12月7日)

2018年12月7日 航海終了。日本に帰ってきました。

  • 無事に航海が終了し、清水港に帰ってきました。
    今回の航海は明るい時間が非常に少なく、また、帰りは大荒れの海ということで、過酷なものでした。
    しかし、このような状況だからこそ、よいデータがたくさんとれました。
    この後は、取得してきたデータの解析にまい進します!

最後は、ビフォーアフターということで、朱さんとのツーショットです(あまり変わってない?)。

2018年12月3日 BBQ開催さる

  • みらいの航海でお楽しみと言えば、BBQ。船長などが海況をみて最適なBBQの日を選んで介されました。波がヤバいのではないかと思っていましたが、BBQの時間になると波がおさまるではありませんか。さすがの読みです。が、気温は5℃。寒いですね。でもお肉などをバンバン焼いて、バンバン食べました。ビールがぬるくならないからいいよね。とポジティブに考え、縁もたけなわに。。。

  • ちなみに今日は集合写真の撮影もありました。そのあとに有志で1枚撮りました。

BGM♪ ガッツだぜ

2018年12月1日 波が。。。

  • 今航では意外と気持ち悪くならなかったのですが(酔い止めを良いペースで導入したからですが。。)、ベーリング海を抜けた後の西部北太平洋上での波はさすがに参りました。。。揺れる揺れる。波高が6-9m!風速20m/s以上。これが丸々2日続くと、さすがに久々に気持ち悪くなり、ダウンでした。今は少し落ち着いています。

BGM♪ 風が吹いている

2018年11月30日 ジェンガによる戦い

  • ベーリング海・北太平洋は荒れる = 船が揺れる ということで、ジェンガをやって見ました。船体動揺を読み切って瞬時にターンをこなさないと、即OUT。最短2手で崩れるなど、激しい死闘が繰り広げられました。

BGM♪ 一人ジェンガ

2018年11月28日 成果報告会

  • 北極海での観測を一通り終え(我々はまだまだ観測中ですが。。。)、観測報告会が開かれています。各自観測内容の成果をバシバシ報告しています。写真はCPSゾンデでの結果を報告する佐藤さんです。約10回の放球で様々なケースの観測事例をキャッチしたようです。それにしても揺れる揺れる

BGM♪ 未来へ

2018年11月25日 着氷をもとめて

  • 本日、ベーリング海峡を南下し、とうとう、ベーリング海に突入しました。気温はまだまだ低い(-5℃前後)ですが、久々の太陽!気分が上がります。

  • 船体着氷の研究を行っている東京大学のF見さんが昨晩のしぶき等で着氷が発生したので、その試料採取のサポートで船首側に行きました。見事な着氷。天気も良く、写真映えもよい感じ。F見さん曰く、これまでの研究の中で最大級の収穫だそうです。よい結果が得られると願っています。

BGM♪ Discovery
まさに氷でコーティング。

2018年11月24日 あれる海。最低気温再び。

  • 昨日から揺れるなーと思って起きたら、机の上がきれいになっていました。机の上のものはすべて、床に散乱。波も高く、波高は本当かどうかわかりませんが、8mにも達したとか、お決まりの船にザッパーンの写真を一枚。また、この日は最低気温の更新がありました。-13.9℃。この日は荒れていたのですが、次の日にみんなで記念撮影。まだまだ寒い!

BGM♪ ガッツだぜ
荒れています。

2018年11月23日 荒れる

  • 11/23 70-00N, 168-45W

  • 最近、めっきり寒くなり、差し入れにいただいた、ぜんざいを(作って)いただきました。暖かく、しかも甘いもの。最高です。〇口さんありがとうございます。

BGM♪ GIFT
癒されます。

2018年11月21日 吹雪

  • 最近はあまり雪が降っていなかったのですが、本日、一日中雪が降っていました。雪の中のブラックカーボンの存在量調べているため、雪の回収も大事な観測の項目。かなりのさらさら雪。まさにパウダースノー。50mLアンプル管に採取しても重さは全然なし。圧縮しながら回収を2時間おきに行いました。風速がなかなかあり、気温も低い。回収時間は5分足らずですが、なかなか苦労します。

BGM♪ 粉雪(?)
吹雪いています
雪をアンプル管に採取しています。

2018年11月20日 みらい最低気温更新

  • これまでの北極航海では、最低気温は-10℃だったそうですが、本日あっさりと更新し、-13℃まで行きました。S藤さん(北見工大)がデジタル表示器を作ってくれたので、写真を一枚。寒い!太陽が見たい!

BGM♪ 栄光の架け橋
Tシャツも10分で凍りました。
みらいの最低気温更新記念写真

2018年11月19日 シャシンダトミドリニミエルオーロラ

  • 北極航海で楽しみと言ったら、オーロラ。しかし、今航は雲が多く、なかなか見ることができません。本日は雲があまりないので、ブリッジで粘り、オーロラっぽいなと思いつつ、撮ってみると、うっすらと緑に見えるではありませんか!まだ、肉眼でカンドウデキルオーロラに出会っていませんが、諦めたら、そこで終わりです。観測しつつ、オーロラチャンスを見逃しません。

BGM♪ 見えない光
ドームの後ろにうっすらと

2018年11月18日 パンを焼く

  • 11/18 72-06N, 165-32W,

  • 北極航海での(竹谷の)楽しみの一つであるホームベーカリーでパンを焼いて食べるという恒例イベントがあります。昨日、北見工大のS藤君と粉・水・イースト菌をいれ、スイッチON!あとは4時間待てば焼き立てのパンが出来上がり。のはずが、、、、まさかの途中で電源切れている問題発生。焼き上がり直前で、止まっていました。まさかこんなことが起こるとは、、、、本日、リベンジで、もう一回チャレンジ。今日はうまく焼き上がりました。焼き立てはいつもおいしいです。

BGM♪ パンを焼く
失敗と成功

2018年11月16日 波の行く先

  • 11/16 72-03N, 165-46W,

  • 最近、海氷縁付近での観測が実施されているため、波の状態がとても面白いことになってました。海氷の表面がグリース状(氷かけ)になっているので、湖面のように一様(波が立っていない)な状態でした。ただ、その状態が終わると、いつもの波の状態。ちょうどその境目の時に、エアサンプラーのチェックのため、船のコンパスデッキと呼ばれる最上階で作業をしていたため、パシリ。たった5分で海の状態がこんなに変化するとは驚きです。

BGM♪ naminoyukisaki
最初はこんな海面状態(左)から5分後には普通の感じに

2018年11月14日 アイス

  • 11/14 72-19N, 164-49W,

  • 本日は、気温もまあまあ高く-3度くらいでした。昨日は-10度まで下がり、かなり寒かったようです。-10度を記録した際は、寝てました。せっかく、北極に来たのだから、寒いのだから、アイスをみんなで外で食べようということにしました。巷では、クレイジーだと言われましたが、ちょうど航海も半分を過ぎたところです。日の出もなくなり(朝方、明るくなるだけ)、気分転換にマイナス世界で減揺装置の上に降り積もった雪を眺めつつ、雪〇だいふく(生チョコ入り)をいただきました。素手ではアイスが冷たいのか、空気が寒いのかよくわかりませんでしたが、おいしかったです。

BGM♪ 何度でも
久々に食べました。

2018年11月11日 パンケーキアイス

  • 11/11 72-25N, 164-22W,

  • 今日はポッキーの日ですね。朝起きてみると、スーパーな高気圧(現在、気圧1033.5hPa)なのでしたが、さらに、船のまわりには出来立て氷がプカプカと浮かんでいるではありませんか。英語的にはパンケーキアイス。日本語的には蓮の葉氷。圧巻です。気温も-5度を下回っているのに、相対湿度が60%。湿気が。。。。

BGM♪ イノセントワールド
圧巻です。。

2018年11月9日 夕焼け

  • 11/9 72-30N, 163-30W,

  • 日本語が変ですが、、、本日の朝、きれいな夕日を見ることができました。というのも日の出は船内時間のAM5:00ごろ、日没はAM10:00ごろ。今航ではあまり、太陽を見ることがなかったので、乗船者は太陽を見たくて、浴びたくて、撮りたくてたまらない状況でした。極寒(-5度)でしたが、思い思いに、写真に収めるなど、夕日を堪能しました。非常にきれいで、幻想的でした。

BGM♪ Sun
本当にきれいな夕日でした。

2018年11月8日 粉雪

  • 11/8 72-00N, 160-00W,

  • 昨日のネタをもう一つ。昨日の夜(といっても昼12時からずーっと夜ですが、、、)。雪がふりました。久々の北極の雪です。吹雪のシーンはツイッターでありますので、そちらをどうぞ。北極航海に来ると、減揺装置の上は雪が非常に積もりやすくなり、いろいろなものが発生ます。今年も、もれなく、様々なものが生成されています。

BGM♪ 粉雪
減揺装置の上に積もった雪
今年も出来上がっています。

2018年11月7日 海氷あらわる

  • 11/7 73-17N, 158-56W,

  • 本日は、波浪ブイの投入のため、危険でない限り、海氷縁にブイを投入する日です。日の出が朝5時、日の入りが朝10時ごろとこの一瞬の明るさの中、みらいは行動開始です。久しぶりに海氷を確認。気温もかなり下がり、マイナス4度近くまで下がりました。

BGM♪ 氷の世界
海氷出現です。
ブリッジでは氷の行方をつねに確認

2018年11月4日 ベーリング海峡突破

  • 11/4 67-22N, 168-45W,

  • ベーリング海峡を突破しました。天気は快晴。久々に、澄み渡る空を見ました。船内の人も久々の快晴で、気分が高まったようで、みんな写真を撮りまくっていました。また、ここまで、激しい揺れもなく、奇跡の往路だったのではないかと思っています(帰りはどうなることやらですが、、、)。ベーリング海峡を突破後も氷はまだ先。気温もとうとうマイナスに。オーロラチャンスということで、頑張ってみましたが、なかなか厳しかったです。

BGM♪ 奇跡の星
右の島がロシア、左の島がアメリカ

2018年11月3日 バケツ採水

  • 11/3 64-31N, 170-21E,

  • 昨日からバケツ採水が始まっています。今日の午前中の作業風景を見学させていただきました。気温数度で風が強い中の作業でした。船の右舷側からバケツを海面に落とし、そこで、表面海水をすくい、採水します。見事な連係プレイで、物の5分で採水は終了。マリンワークの方々、さすがです。

BGM♪ Progress
採水風景
採水後はすぐ分析です。

2018年11月1日 日没

  • 11/1 58-52N, 179-54E,

  • 今航では船内時間は変更しない(日本と同じ時間帯で生活する)ということになっており、北極に向かえば向かうほど、少し、奇妙なことが起こっています。現在位置は北緯、60度、東経180度付近通常であれば、時差は3時間程度ある状況です。しかし、船内時間はそのまま、というわけで、昼過ぎに、日が沈むということが起きています。今日、昼食後に西日を感じたので、デッキに出てみると夕日が、、、、日本出発直後は少し揺れましたが、今日のベーリング海まで奇跡的に海況もよく、揺れがほとんどありません。このまま、荒れずにいってもらいものです。

BGM♪ 太陽が燃えている
船内時間13:00の外の風景。
少ない日照でしたが、身に沁みました。

2018年10月30日 ラジオゾンデ手放球

  • 10/30 50-19N, 166-52E,

  • 今航ではラジオゾンデ放球が一日数回行われます。気圧、湿度、気温などの情報の高度プロファイルを取得します。通常はコンテナからオートランチャー(後日紹介する予定)により放球されますが、風の向きにより制限を受けます。今日は、ランチャーが使えなかったときに行う、手放球のテストが行われたようです。その瞬間をパシャリ。

BGM♪ 浪漫飛行
手放球が行われました。

2018年10月29日 PM2.5採取

  • 10/29 47-55N, 162-59E,

  • 今航の大気組成観測のチームでは、オンライン測器のほか、オフラインの装置としてエアサンプラーを搭載しています。エアサンプラーはコンパスデッキと呼ばれる船の屋上に設置しています。エアサンプラーを利用して、空気中のPM2.5をフィルターの上に採取しています。ポンプの流量は1分間に740L吸引します。また、エアサンプラーの後方にみらいの煙突があるため、後方からの風の場合、自船の煙を捕集してしまうので、風向風速計(プロペラ)により、船の前方からの風の場合のみポンプの吸引を行う仕組みをとっています。

  • このエアサンプラーにより採取されたPM2.5は観測終了後、の成分分析などを実施します。PM2.5は様々な成分で構成されており、時間、場所により大きく変化します。これらPM2.5の成分分析などを実施し、北極海上のPM2.5組成解析やその特性に関する分析を実施する予定です。さらには数値計算(大気化学輸送モデル)の精緻化に貢献するデータとしても利用される予定です。

BGM♪ 未来へ
コンパスデッキに設置されたエアサンプラー
(イカのような形をした2台)
フィルター交換中の朱さん(JAMSTEC)

2018年10月28日 汎用観測室の装置

  • 10/28 45-51N, 159-18E,

  • 今航では、大気組成観測のチームでは、様々なオンライン測器(連続測定装置)を用いて西部北太平洋から北極海上までの広域にわたり船上観測を実施します。それらの装置が置かれているのが、みらいの最上階にある汎用観測室(英語名:Environmental research Lab.)。この部屋には様々な装置が設置されてます。
    本日はその一部をまずは紹介したいと思います。

  • 北極域で重要になるPM2.5の成分の一つである光吸収特性をもつブラックカーボン(BC)を一粒一粒検出し、さらにはその状態(サイズや混合状態)の情報を取得する装置Single Particle Soot Photometer(略してSP2)を筆頭に、オゾンや一酸化炭素などの装置が設置されています。外気を室内あるそれぞれの装置に導入し、測定を行っています。部屋は装置制御用のPCがいたるところに置かれ、また、機械音が激しく会話もままなりません。しかしながら、よいデータをとるためです、装置がちゃんと動いているかをチェックするのも大事なことなので、毎日行っています。が、最上階の部屋は揺れ幅が大きく、滞在はあまり長くできません。

BGM♪ 365日
汎用観測室の一角

2018年10月27日 お守り

  • 10/27 42-35N,153-55E,

  • 昨日、船の安航を祈念して金毘羅参りが行われましたが、我々の観測部屋(汎用観測室)にも金毘羅さんのお守りがあります。先日、高松で学会があり、金毘羅さんに行ってきました。そこで、あったのが黄色いお守り、昨年度も同僚の宮川さんから頂きましたが、今年は自前で準備です。これから、海があれることが予想されるので、部屋にもお守りを。。。

  • 良いデータが取れますように

BGM♪ 光の射す方へ
オゾン計の横に設置されたお守り

2018年10月26日 金毘羅参り

  • 10/26 40-10N,149-01E,

  • 本日、観測ミーティングが行われ、乗船研究者から、今航での作業内容の説明がまあまあな波の中(3m)行われました。これまでとは違った季節での北極航海です。これまでとは違う興味深いデータがとれると思われます。また、今航は時差調整をしないことになり、船内時間は日本時間と同じになることも確認されました。

  • また、ミーティングののちにブリッジにて船の安航を祈念して乗船者全員で金毘羅参りが執り行われました。
    首席研究者の猪上さんの粋な計らいでお神酒は「みらい」。安全でかつ良いデータが取れることを祈念しました。写真は船長とお神酒です。

BGM♪ 未来

観測ミーティング中です。
金毘羅参り直前のワンシーン(まるで、CMのような...)

2018年10月25日 八戸を出港

  • 10/25(JST) 21:00 40-22N,142-46E,

  • 本日16:00に八戸港を出港しました。出港後の現在21:00ごろは少し波が出てきており、3mぐらいです。八戸港では今後あまり見ることがないだろう陸を目に焼き付けておきました。明日以降の天気の状況が興味津々です。

BGM♪ 旅立ち
八戸出港時の首席研究者の猪上さん(左)と次席研究者の佐藤さん(右)

2018年10月24日 青森県むつ市関根浜

  • みなさま、こんにちは。2016年以来の北極航海に乗船する竹谷です。2014年、2016年と隔年でみらい北極航海に乗船することになりました。今回も竹谷の視点から研究や船内生活を中心に砕けた感じで、状況をお伝えできればと思います。
    ちゃんとした公式ブログやツイッターもありますので、そちらもご覧いただければと思います。

  • ということで、今回は竹谷と同じグループの朱さんと大気組成観測を乗船中に担当します。
    実施内容はブラックカーボン・一酸化炭素・オゾン・エアロゾル成分・降雨降雪サンプリングを実施します。詳細はおいお い紹介させていただければと思います。今航は時期がこれまでとは違い、秋から冬にかけての航海で、非常に厳しい環 境が予想されます。厳しいからこそ、よいデータが取れると思ってもいます。まさに、ローマは一日にして成らず。コツコツ 、マイペースで行きたいと思っています。

BGM♪ そのスピードで
関根浜出港時の竹谷(左)と朱さん(右)
出港前には虹が