固体地球統合フロンティア研究システムの発足について
平成13年4月18日
海洋科学技術センター1. 概要
本年4月1日、海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は、地震、火山をはじめとする固体地球上の諸現象を解明するため、既存の「海底下深部構造フロンティア」を発展させ、「固体地球統合フロンティア研究システム」(IFREE)を発足させた。本研究システムの全体責任者(システム長)には、久城育夫氏(前東京大学副学長)が就任した。2.背景
近年、地殻、マントル及び中心核からなる地球内部の変動が、大気・海洋や生態系の存在する地球表層部に劇的な影響を及ぼしてきたことが分かってきた。すなわち、地震、火山噴火、津波などが繰り返し人間社会を脅かしてきたのはもちろん、地球内部と地球表層部との間の壮大な熱・物質の交換による環境変動が、人類の進化、さらには、生命の誕生と進化にさえ大きな役割を果 たしてきたことが明かとなってきた。
この最後の未踏領域である地球内部の変動を理解する手段として、海洋科学技術センターでは、「地球深部探査船」及び「地球シミュレータ」の開発を進めており、また、大学・国研等においてグローバルな地球内部観測ネットワークが整備されつつある。3.研究内容と研究体制
本研究システムは、これら世界最新鋭の研究手段(インフラストラクチャ)を駆使しつつ、優れた研究リーダーのもと流動研究員制度により、岩石学、地質学、電磁気学、地震学、火山学などの既存の研究分野の間の壁を取り払った統合的な研究を進めるものである。
実施にあたっては、内外の重要な大学・研究機関に連携研究拠点(サテライト)を設けるとともに、その他の大学・研究機関とも共同研究などを通 じて連携し、開かれた研究所とする。
本研究システムは、すでに発足している「地球フロンティア研究システム」、「地球観測フロンティア研究システム」及び「極限環境生物フロンティア研究システム」とも密接な連携のもとに、一体となって地球変動予測の実現を目指し、総合的な研究を推進することとしている。4.システム長
本研究システム長に就任した久城育夫氏は、マグマの成因と地球進化に関する実験岩石学研究の世界的権威で、これまで多くの業績を挙げられている。(略語)
IFREE: Institute for Frontier Research on Earth Evolution問い合わせ先:海洋科学技術センター
総務部普及・広報室 志村、月岡
電話(0468)67-3806
フロンティア研究推進室 西村、小原
電話(0468)67-3389
FAX(0468)66-5306
(添付資料)
別添1:システム長の略歴
図—1:固体地球統合フロンティア研究システムと関連機関の連携
図—2:平成13年度研究実施体制
図—3:固体地球統合フロンティアの研究概要
図−4:IODP(国際統合深海掘削計画)
別添2:(参考)これまでの主要な成果(海底下深部構造フロンティア)
別添3:用語解説