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2021年 3月 23日
国立大学法人東北大学
国立研究開発法人海洋研究開発機構

東北沖地震震源域の拡がりを規定する地下構造を解明
プレート境界浅部の厚い堆積層がすべりの特性をコントロール

2011年東北地方太平洋沖地震の巨大な断層すべりは日本海溝中部(宮城県沖)の海溝近くに限定され、南部(福島県沖)の海溝近くでは地震後のゆっくりとしたすべり(余効すべり)が進行しており、この地震の大すべりはなぜ南部へ広がらなかったかは不明でした。東北大学大学院理学研究科の中田令子助教らは、海洋研究開発機構海域地震火山部門の堀高峰上席研究員らとともに、この原因を明らかにするために、プレート境界面近くの構造モデルの構築とそれを用いた断層すべりのシミュレーションを行いました。南部の余効すべりが起こる範囲のプレート境界に厚さ1kmの低密度層(チャンネル層)をおいた構造モデルを想定すると、福島県沖で観測される負の重力異常が説明できます。この層による摩擦特性の違いを仮定したシミュレーションでは、宮城県沖では巨大地震が繰り返し発生し、福島県沖ではゆっくりとしたすべりが長期間継続することが再現されました。つまり、プレート境界面沿いのチャンネル層の存在が、2011年東北地方太平洋沖地震の大規模なすべりが南部へ拡大するのを妨げたと考えられます。

この研究成果は、学術雑誌Scientific Reportsに2021年3月19日付けでオンライン公開されました。

詳細は東北大学のサイトをご覧ください。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 広報課
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