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プレスリリース

2021年 6月 14日
国立大学法人東京大学
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国立研究開発法人海洋研究開発機構

日本海溝海側の大規模正断層に沿ったマントル流体上昇
~マントル由来の水は巨大地震の引き金になるか~

東北沖では、海溝型巨大地震発生(例:1896年明治三陸地震)の数十年後に、巨大津波を引き起こす「大規模アウターライズ地震」(例:1933年昭和三陸地震)が日本海溝に沈み込む前の海洋プレート内部で連動して発生することが知られています。一方、2011年東北地方太平洋沖地震後には大規模アウターライズ地震が未だに起こっておらず、その切迫度が増している状況にあります。

大規模アウターライズ地震断層の実態に関する知見は極めて不足しているため、このたび、日本海溝の海側に発達する大規模アウターライズ地震断層の実態(構造、物性、流体循環など)の解明調査をおこないました。

東京大学大気海洋研究所の朴進午准教授らの研究グループは、日本海溝海側の反射法探査データを調べ、海底面からモホ面を貫きマントルまで達する大規模な正断層を発見しました。さらに、その正断層付近で採収した海底堆積物中の間隙流体を分析し、マントル流体の上昇を示唆するヘリウム同位体比異常を発見しました。正断層に沿ったマントル流体上昇と海水浸透に着目し、日本海溝の海側においてマントルと海洋を結ぶ大規模な流体循環モデルを構築しました。

詳細は東京大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 広報課
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