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プレスリリース

2021年 7月 20日
国立研究開発法人国立環境研究所
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人海洋研究開発機構

大気汚染物質(NO2)との同時観測により燃焼由来のCO2排出量を精度よく推定する新手法を開発

国立環境研究所地球システム領域の谷本浩志室長、藤縄環任期付研究員、宇宙航空研究開発機構の久世暁彦研究領域主幹、海洋研究開発機構の金谷有剛上席研究員らの研究チームは、航空機を用いた二酸化炭素(CO2)と二酸化窒素(NO2)の同時観測データから、燃焼由来のCO2排出量を精度よく推定する新手法を開発しました。脱炭素社会に向けて、温室効果ガスであるCO2の削減とその監視が求められる中、⾃然起源と⼈為起源の排出源から発⽣源別に排出量を推定することが望まれています。人工衛星からの観測では地球全体を対象にできますが、⼀⽅で観測データには測定誤差があるため、⼤気中に⻑期に蓄積されたCO2と燃焼により排出されたCO2を発生源別に分離するのは困難です。そこで、燃焼とともにCO2と同時に発⽣するNO2が、CO2の排出源同定とその排出量推定に有効である可能性に注目が集まっています。本研究では、航空機を用いたCO2とNO2の同時観測を世界で初めて行い、NO2観測によるCO2の排出量推定の高精度化を実証しました。この手法を使うことにより、従来の統計データでは識別が難しいCO2排出源の発見や、CO2排出量推計の高精度化が期待されます。

本研究の成果は、2021年7月20日に米国地球物理学連合の専門誌「Geophysical Research Letters」にオンライン掲載されます。

詳細は国立環境研究所のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 広報課
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