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プレスリリース

2022年 5月 20日
国立大学法人東京大学 大気海洋研究所
国立研究開発法人海洋研究開発機構

大気の川が引き起こした過去の南極氷床融解

東京大学大気海洋研究所のAdam Sproson 外国人特別研究員(研究当時)、横山祐典教授らの研究チームは、米国アラバマ大学のRebecca Totten助教授ともに、9-6千年前にかけての南極氷床の融解が大気の川による温暖で湿潤な空気の流れ込みが引き金で起こったことを明らかにしました。

大気海洋研究所のグループで開発した加速器質量分析法を駆使した新しい化学分析手法を用いることで、これまで着目されていなかったメカニズムによって過去に氷床融解が起こったことを初めて明らかにしました。

現在進行中の地球温暖化でもっとも危惧されている事象のひとつは、南極やグリーンランドの氷床融解による海面上昇です。特に西南極氷床は融解すると世界の海水準を3-5m上昇させうる淡水を蓄えていますが、陸上ではなく海底に直接着底していることにより地球温暖化に伴う影響をより大きく受け、気候モデルによると将来にわたって地球温暖化が継続すると西南極氷床は完全になくなるとされています。しかし、どのようなメカニズムでその融解が起こりうるのか、これまで、実際のデータに基づいた議論をされたことは限られていました。

本研究の成果は、将来の海水準変動予測の高精度化に貢献することが期待されます。また、2022年3月に南極で観測された通常より40℃高い気温を引き起こした「大気の川」と同様の現象により、過去に西南極氷床を融解させたという重要な知見となります。

本研究成果は、2022年5月20日午前10時(英国夏時間)に「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

詳細は東京大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室
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