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プレスリリース

2022年 9月 30日
国立大学法人千葉大学
国立研究開発法人海洋研究開発機構

メタンの半球輸送におけるアジアモンスーンの役割を解明
〜温室効果ガスの収支評価の高精度化につながる知見〜

温室効果ガスや大気汚染物質などの主な発生源がある北半球から南半球への物質の半球輸送の経路の解明は、これらの物質の全球分布を明らかにする上で重要です。国立大学法人千葉大学(千葉市)と海洋研究開発機構(JAMSTEC・横浜市)で構成される研究グループ(統括:Dmitry Belikov千葉大学特任研究員)は、日本の衛星GOSATのメタンの観測データと大気化学輸送モデルのメタンのシミュレーションデータを利用して、物質の半球輸送を季節別に詳細に解析しました。

本研究の結果、半球輸送は350-150 hPaの上部対流圏で最も活発であること、熱帯南アメリカ、熱帯アフリカ、東南アジアでは北半球から南半球への半球輸送が一年を通して活発である一方、熱帯インド洋では南アジアの夏モンスーンにより半球輸送に大きな季節性があること、ならびに夏モンスーンにより、チベット高原~インド上空の上部対流圏に輸送された高濃度メタンの空気塊が熱帯アフリカ東部を通って南半球に輸送されていることがわかりました。本研究により、温室効果ガスの収支(発生源・発生量および消失源・消失量)の評価の高精度化が期待できます。

本研究の成果は2022年7月27日にJournal of Geophysical Research: Atmospheresよりオンライン出版されました。

詳細は千葉大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室
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