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プレスリリース

2022年 12月 9日
国立研究開発法人海洋研究開発機構

国際深海科学掘削計画(IODP)第398次研究航海の開始について
~ヘレニック弧火山帯掘削~

国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)(※1)の第398次研究航海として、米国が提供するジョイデス・レゾリューション号(※2)による「ヘレニック弧火山帯掘削」(別紙参照)が、2022年12月11日から開始されます。

当該航海では、活動的な火山弧である地中海のヘレニック弧火山帯内のサントリーニ・カルデラで掘削が行われる予定です。火山活動史の復元やマグマの起源の解明に加え、火山活動が海洋環境や生命にどのような相互作用を及ぼすかについて明らかにするため、リフト盆地とサントリーニ・カルデラ内に数百メートルの厚さに堆積した火山堆積物を採取します。

航海には、インド、英国、オーストラリア、中国、ドイツ、日本、フランス、米国から計28名の研究者が参加し、うち日本からは3名が乗船参加予定です。

※1 国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)

平成25年(2013年)10月から開始された多国間科学研究共同プログラム。日本(地球深部探査船「ちきゅう」)、米国(ジョイデス・レゾリューション号)、ヨーロッパ(特定任務掘削船)がそれぞれ提供する掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を推進する。


JOIDES Resolution ©IODP

※2 ジョイデス・レゾリューション号

IODPの科学掘削に米国が提供する掘削船。

別紙

ヘレニック弧火山帯 ー島弧リフト環境における火山活動とテクトニクスー
Hellenic Arc Volcanic Field

1.日程(現地時間)

  IODP第398次研究航海

2022年12月11日
研究航海開始(出港地:タラゴナ(スペイン))
2023年2月10日
研究航海終了(入港地:イラクリオン(ギリシャ))

※予定は、新型コロナウィルス感染症の状況、航海準備状況、気象条件や調査の進捗状況等によって変更となる場合があります。

2.日本から乗船参加する研究者(予定)

氏名 所属/役職 担当専門分野
千代延 俊 秋田大学国際資源学部国際資源学科/教授 層位・微古生物学
Iona McIntosh 海洋研究開発機構/研究員 物性科学
山本 由弦 神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻/教授 構造地質学

3.研究の背景・目的

地中海のヘレニック弧火山帯は、活動的な火山弧です。本航海のターゲットであるエーゲ海のサントリーニ・カルデラは、そのヘレニック弧火山帯の中央に位置しています。本航海では、地殻構造の発達に関連した火山活動史の復元やマグマの起源の解明に加え、火山活動が海洋環境や生命にどのような相互作用を及ぼすかについて明らかにするため、リフト盆地内の4ヶ所とサントリーニ・カルデラ内の2ヶ所において、厚さ数百メートルに堆積した火山堆積物を採取する予定です。

カルデラ噴火とは、一度に100 km3以上の膨大な量の火山噴出物を放出する大規模な噴火であり、日本でも九州や北海道に活動的なカルデラ火山が存在します。この噴火は、広い範囲に火砕流や膨大な降灰をもたらし、人間の社会と生活に壊滅的で大きな影響を与えます。しかし、カルデラ火山と非カルデラ火山のマグマ発生プロセスには明確な違いがなく、どのようにしてカルデラ噴火が発生するのかは、未だわかっていません。本航海では、海底堆積物からカルデラ噴火の発生プロセスを詳細に研究することにより、地殻変動への理解を深め、将来的な大規模噴火発生予測への第一歩となることが期待されます。

Druitt, T., Kutterolf, S., and Höfig, T.W., 2022. Expedition 398 Scientific Prospectus: Hellenic Arc Volcanic Field. International Ocean Discovery Program.
https://doi.org/10.14379/iodp.sp.398.2022

図1

図 本研究航海の掘削地点
オレンジ色の丸は主要掘削予定点、黄色の丸は予備掘削予定点を示す。
*は、いくつかの掘削候補点が重なっていることを示す。

表 本研究航海の主要掘削予定点一覧(作業予定日数は切り上げ、優先順位の高い順に表示)

サイト名 水深(m) 目標掘削深度(m) 作業予定日数
CSK-01A 489 765 13
CSK-03A 397 566 10
CSK-05C 384 234 4
CSK-07B 292 360 6
CSK-09A 694 595 11
CSK-13A 489 857 13

(航海準備状況、気象条件や調査の進捗状況等によって掘削地点を変更する場合があります。)

*図はIODPウェブサイトより引用したものを改変

IODP JRSO・Expeditions・Hellenic Arc Volcanic Field
https://iodp.tamu.edu/scienceops/expeditions/hellenic_arc_volcanic_field.html
https://doi.org/10.14379/iodp.sp.398.2022
https://iodp.tamu.edu/scienceops/precruise/hellenicarc/932-Full_Druitt_web.pdf
https://iodp.tamu.edu/scienceops/precruise/hellenicarc/932-Add_Druitt_web.pdf
https://iodp.tamu.edu/scienceops/precruise/hellenicarc/932-Add2_Druitt_web.pdf
【参考】IODP Copyright Statement
https://iodp.tamu.edu/about/copyright.html
国立研究開発法人海洋研究開発機構
(IODP及び本航海の科学計画について)
研究プラットフォーム運用開発部門 運用部 次長  斎藤 実篤
(報道担当)
海洋科学技術戦略部 報道室
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