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⽇向灘南部における⼤地震の多様な発⽣様式 ―2024 年・2025 年の地震から新たに⾒えてきた特徴と今後の課題―

2025.11.17
宮崎公⽴⼤学 地域連携・防災研究センター
国⽴研究開発法⼈海洋研究開発機構

宮崎公⽴⼤学地域連携・防災研究センターの⼭下裕亮准教授(前、京都⼤学防災研究所宮崎観測所・助教)と、海洋研究開発機構地震津波予測研究開発センターの堀⾼峰 センター⻑は、2024 年と2025 年に発⽣した⽇向灘の地震に関する観測研究結果をふまえ、⽇向灘南部における⼤地震の発⽣間隔や規模の変化などの発⽣様式に関する新たな⾒解を発表しました。⽇向灘南部では、「同じ場所で30 年ごとにM7級の地震が起きる」と考えられていましたが、2024 年の地震により約60 年間隔で活動する2 つの震源域が、30 年ずれて活動しているとみられることが明らかとなりました。2024 年の地震による震源域でのすべり量は、震源域周辺の⾮地震性すべりレートの解析結果から期待される約60 年分のすべり遅れの蓄積量と調和的であることが⽰されました。⼀⽅、プレートの沈み込みから期待される約60 年分のすべり遅れの蓄積量に対しては半分程度と⾒積もられます。地震で解消し切れていない残りのすべり遅れは、余効すべりやスロー地震などで解消されている可能性がありますが、階層アスペリティモデルに基づく考察から、⻑期的かつ広域的に蓄積されたひずみが、1662 年⽇向灘地震のようなM8 級の巨⼤地震を引き起こす可能性についても⾔及しました。さらに、⽇向灘における研究をさらに進めていくための課題についても多⾓的な視点からまとめました。

本研究の成果は、2025 年9 ⽉10 ⽇に⽇本地震学会の学術誌「地震 第2 輯」に掲載されました。

図1

図.  ⽇向灘南部における地震発⽣パターン

詳細は 宮崎公⽴⼤学のサイトをご覧ください。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室