東京大学大学院理学系研究科の東塚知己准教授、小池海人(研究当時:修士課程大学院生)、および海洋研究開発機構地球環境部門地球表層システム研究センターの笹井義一主任研究員による研究グループは、これまで定量化が困難であった植物プランクトンによるエルニーニョ現象への影響を、初めて定量化することに成功しました。
これまでの研究で、植物プランクトンがエルニーニョ現象を弱める可能性は示唆されてきましたが、その影響を定量化することが難しいとされてきました。本研究では、植物プランクトンが水温に与える影響を定量化する独自の手法を開発し、海洋生態系モデルを用いた解析により、この効果がエルニーニョ現象の振幅を約4割抑えることを明らかにしました。
エルニーニョ現象は、日本を含む世界各地で異常気象を引き起こす要因となる現象です。今回の成果により、植物プランクトンを含む海洋生態系を考慮することで、数か月先の異常気象予測の精度向上につながることが期待されます。
この研究成果は、11月18日にEnvironmental Research Letters誌に掲載されました。
図. 植物プランクトンがエルニーニョ現象を弱めるメカニズム
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