2023年11月14日(火)~16日(木)に文部科学省において、G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI)ワーキンググループ*会合が開催され、現G7議長国である日本及び次期G7議長国であるイタリアが共同議長を務めました。
会合では、海洋科学の重要性が改めて強調された、G7科学技術大臣会合(2023年5月に仙台市で開催)の宣言を確認しながら、「北極域海洋観測」、「海洋研究インフラの統合と連携」の2つの新たな課題についてワークショップ形式で議論を実施後、「OneArgo**」、「海洋のデジタルツイン」、「海洋炭素」、「海洋生物」を含む2023年ワークプランで定められた各トピックの専門家グループ***の活動進捗状況を確認し、2024年の計画について討議を実施しました。
JAMSTECからは、日本のナショナルフォーカルポイント(窓口、NFP)を務める文部科学省研究開発局海洋地球課に協力する形で地球環境部門(RIGC)・国際協力課のメンバーが対面出席し、科学的知見を提供するとともに、G7 FSOI ワーキンググループの活動についての議論に参加し、参加各国とともに明るい海洋の未来につながるいくつかの提案を取りまとめました。
引き続きJAMSTECは、G7 FSOIワーキンググループへの参加を通じて、海洋科学における国際協力を推進してまいります。
参考:https://www.g7fsoi.org/g7-fsoi-working-group-meeting-2023-2/
G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI: Future of the Seas and Oceans Initiative)ワーキンググループ
2016年に英国の主導により専門家ワーキンググループとして立ち上げ。同年のG7茨城・つくば科学技術大臣会合において「海洋の未来」が取り上げられ、海洋観測の強化、海洋環境アセスメントの強化、データ共有の推進、能力構築の推進、政策協力の5つのアクションの推進が支持され、G7科学技術実務者(シェルパ)会合の下でFSOIワーキンググループの活動を継続することが合意されました。G7メンバー間の調整機能を担うFSOIコーディネーションセンターを英国とEUがホストしています。日本では、NFPを務める文部科学省研究開発局海洋地球課及び関係省庁・機関が連携して取り組んでいます。JAMSTECは、FSOI関連活動にNFPアドバイザー(増田周平 地球環境部門(RIGC)・部門長)を含む専門家を派遣しています。
OneArgo
OneArgoは、自動昇降型観測ブイを用いた全球海洋観測網であり、海洋深層までの物理的および生物地球化学的状態を準リアルタイムで把握することを目的としています。
2023年ワークプランで定められた各トピックの専門家グループ
日本は「北極域海洋観測」と「OneArgo」のリード、「海洋のデジタルツイン」のコリードを務め、「北極域海洋観測」は菊地隆 RIGC北極環境変動総合研究センター・センター長、「OneArgo」は須賀利雄 RIGC・招聘上席研究員(東北大学大学院・教授)、「海洋のデジタルツイン」は石川洋一 付加価値情報創生部門(VAiG)地球情報科学技術センター・センター長が、他のG7メンバーと協力しつつ、それぞれの専門家グループにおける議論を取りまとめました。
また、日本がメンバーとなっている「海洋炭素」、「海洋生物」は、関連国際ワークショップの企画検討グループに、村田昌彦 RIGC海洋観測研究センター海洋物理・化学研究グループ・上席研究員(シニア)、山北剛久 RIGC海洋生物環境影響研究センター海洋環境影響評価研究グループ・主任研究員がそれぞれ参加し、ワークショップの企画立案及び議論に貢献しました。