2024年6月20日に、鳥羽市役所にて「鳥羽市 海のレッドデータブック2023」のデータベース化(BISMaLへの公開)について、鳥羽市と合同記者発表を行いました。
レッドデータブック(Red Data Book:RDB)とは、絶滅のおそれのある野生生物に関する種名、生態、分布、現状、減少要因等の情報を記載した図書です。1966年に主にIUCN(国際自然保護連合)が作成したものに始まり、現在は各国や団体等によって作成されています。
「鳥羽市 海のレッドデータブック」では、鳥羽市内において絶滅のおそれのある野生生物を掲載した冊子として発刊され、鳥羽市沿岸や流入河川およびその周辺の集水域となる一部の内陸において、海辺に生息する脊椎動物18種(海棲哺乳類、鳥類、爬虫類)、魚類30種、甲殻類34種、貝類295種、環形動物および、その他の無脊椎動物群21種、海藻海草類21種、合計419種を調査・評価対象とし、藻場や沖合に生息する種などについても評価、掲載しています。
今回発表しました「データベース化」とは、JAMSTECで構築し、沖縄に拠点のある国際海洋環境情報センター (GODAC) で運用している海洋生物の多様性と分布情報のデータベース(BISMaL)での公開を指します。また、このデータはBISMaLを経由して国連のユネスコ傘下にある海洋生物多様性情報システム (OBIS) にも登録されます。これによって「鳥羽市海のレッドデータブック」のデータが、OBISとBISMaLを通して世界中から閲覧できるようになりました。
本データベース化により、豊かな自然環境と、多様な生き物たちが生息する鳥羽の海の生物の状況が容易に可視化できるだけでなく、世界中の研究者がデータにアクセスし、他地域と比較するなどの利活用ができるようになります。また、BISMaLをプラットフォームとする鳥羽市独自のデータベースが構築されたことにより、今後のモニタリング結果の追加や情報修正が安定的に実施できる環境が整備されました。
海洋生物の多様性と分布情報のデータベースBISMaL:
https://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/
OBISのWebページ:
https://obis.org/