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小平 秀一 理事が第18回海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)を受賞

小平 秀一 理事が、第18回海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)を受賞しました。
本表彰は、科学技術、水産、海事、環境など海洋に関する幅広い分野における普及啓発、学術・研究、産業振興等において顕著な功績を挙げた個人・団体を表彰し、その功績をたたえ広く紹介することにより、国民の海洋に関する理解・関心を醸成することを目的としています。

受賞者:
小平 秀一 理事

功績の概要:
大規模海底下探査手法の確立による海溝型地震メカニズムの実態解明に貢献

功績事項:
深海地下構造調査技術の大規模・大量展開化、超深海化による、海域大規模高分解能地下構造探査の手法を確立し、海溝型地震の発生を規定する地下構造要因を次々と明らかにするなどの卓越した研究成果を挙げ、国内外で極めて高く評価されている。また、長年にわたり、その科学的知見や成果の発信、社会実装に精力的に取り組んできた。

1. 東北沖地震震源域や南海トラフ地震発生帯では、世界に先駆けて海底下の大規模構造 探査を主導し、従来の海溝型巨大地震の概念モデルを覆す革新的な発見を生み出した。この成果は政府の南海トラフ巨大地震の想定震源域見直しの科学的根拠の一つとなるとともに世界のプレート沈み込み帯で類似の観測研究に繋がり、国際的にも大きな影響を与えた。このように、海底下構造研究の専門家として当該分野で世界を牽引し、日本の国際的なプレゼンスの向上にも大きく寄与した。

2. 近年では、2024 年能登半島地震の発災直後から緊急調査航海を指揮し、その実態解明に資する重要な発見に繋げた他、同年秋には水深7000mの海域において東北沖地震震 源断層の時空間変化を捉えるべく、共同首席研究者として総勢56名の地球物理、地質学等の研究者からなる国際チームを率いてIODP(国際深海科学掘削計画)Exp.405-JTRACKを成功させた。

3. 政府の南海トラフ地震調査研究プロジェクト「防災対策に資する南海トラフ地震調査 研究」では代表を務め、工学・社会学の研究者と連携して、海溝型巨大地震の実態把握手法の確立と巨大地震から社会を守る仕組みづくりを進める研究を主導。同プロジェクトの成果は、南海トラフ地震臨時情報の迅速化・確度向上に貢献するなど、科学と社会の架け橋として重要な役割を果たしている。

4. これまでの研究成果は、査読付き論文200 編以上、Top10%論文24 編(Web of Science)、引用数12000超 (Google scholar)に上り、2014年には米国地球物理学会から全会員の0.1%のみが選ばれるフェローに選出。2017年には、特出した研究者へ贈られるBeno Gutenberg Lectureの称号を同学会から授与されるなど、我が国を代表する海底下構造研究のパイオニアの一人として、国際的に極めて高く評価されている。

5. 所属する海洋研究開発機構においては、地震津波海域観測研究開発センター長、海域 地震火山部門長、理事(研究担当)等の要職を務める傍ら、東北大学、横浜国立大学では客員教授として海域地球物理学の大学院教育にも携わるなど、これまで、30年以上にわたり、我が国の海洋科学研究の発展と後進研究者の育成に多大な尽力をしてきた。

第18回海洋立国推進功労者内閣総理大臣賞表彰について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2025/1420210_00001.htm