2023年度に始まったJAMSTECの「海洋STEAM教育事業」。JAMSTECが持つ豊富な画像や映像などの研究素材を用いて、学校教育カリキュラムで活用できる教材を制作しました。海洋STEAM教材を基軸に本事業をさらに浸透させていくには、海洋STEAM教材を効率的に活用できる指導者と指導法の充実が欠かせません。
このような観点から、STEAM教育の理論的研究と人材育成の両面から本事業の方向性を専門的に検証するために「海洋STEAM事業推進コンソーシアム」を作って議論を重ねてきました。
この議論の成果を『予測困難な時代を生き抜くための 海洋STEAM教育ハンドブック』として取りまとめました。JAMSTECが監修した初めての本格的な「教育書」となります。
本書は、JAMSTECが八戸市教育委員会を中心に教育関係者と連携して開発した「海洋STEAM教材」をもとに、最先端の海洋研究と学校教育を接続する、前例のない教育モデルの提案書です。研究機関発の知見を学校教育へ実装する先進的な試みとなります。
本書の発刊により、海洋STEAM教育を目指す指導者の養成や指導法の探究が一層進み、海洋STEAM教育のさらなる発展と充実につながることが期待されます。
今後もJAMSTECは全国の自治体や学校教育関係者とともに、海洋STEAM教育の推進を図ってまいります。
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(海洋STEAM教材ライブラリー)
https://www.jamstec.go.jp/steam/
■ なぜ今、「海洋STEAM教育」なのか
「海」を知ることは、日本の未来を考えること。 気候変動、地震・津波、海洋資源、海洋プラスチック問題——。海洋国家である日本にとって、海をめぐる課題は、経済・環境・防災などあらゆる面で私たちの生活に関わっています。しかし、その「最先端の現実」が学校現場で語られる機会はこれまで多くありませんでした。
本書で紹介する「海洋STEAM教材」は、JAMSTECが長年の調査・研究で蓄積してきた「一次データ(本物の研究データ)」や「希少な画像・映像」を学習指導要領に沿って教材化している点が最大の特徴です。「今、地球で起きていること」を入り口にすることで、子どもたちの知的好奇心を刺激し、社会課題を「自分事」として捉える力を育みます。
【本書が目指す教育モデル】
●教科横断的な視点: 理科だけでなく、技術分野(技術・家庭科)、工学、アート・リベラルアーツ(芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲)、 算数(数学)などを複合的に学ぶSTEAM教育の実践。
●探究する力: 正解のない問いに対し、データや事実をもとに考え、議論するプロセスの重視。
■ 海洋地球分野×STEAM教育の融合による、初の“授業づくり”ハンドブックとしての特徴
本書は単なる理論書ではなく、教育現場ですぐに活用できるよう、具体的な「授業づくり」のプロセスを可視化しました。
堀田龍也
ほりた・たつや / Tatsuya HORITA
博士(工学)(東京工業大学)。東京学芸大学教職大学院・教授、学長特別補佐。2024年3月まで東北大学大学院情報科学研究科・教授。文部科学省初等中等教育局・視学委員。国立教育政策研究所・上席フェロー。中央教育審議会初等中等教育分科会・分科会長代理。
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