国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、最先端の海洋研究の知見を活かし、学校現場での探究学習を支援する「海洋STEAM教材」を制作しています。このたび最新巻として、第6巻「地球環境と海」を当機構の「海洋STEAM教材ライブラリー」にて公開いたしました。今回は、函館市教育委員会との協働で教材を制作しました。全国の小中高等学校をはじめとする教育現場で幅広い活用が期待されます。
▼ 教材のダウンロードはこちら
https://www.jamstec.go.jp/steam/
本教材のねらい
近年、地球温暖化や気候変動への関心が世界的に高まる中、地球環境を維持する上で「海」が果たしている役割を正しく理解することは不可欠です。本教材では、海と地球のつながりを多角的な視点から紐解き、児童・生徒が地球環境問題を「自分事」として捉え、未来に向けてどのような行動をとるべきかを探究することを目指しています。
第6巻「地球環境と海」の主な学習内容
本巻では、地球の気候システムにおける海の重要な働きや、現在海が直面している課題について、JAMSTECの最新研究も交えながら以下のテーマで探究します。
- 海は地球の調整役?(炭素循環のしくみ)
人間の活動によって排出される「二酸化炭素」が、海にどのくらい吸収されているのかを数値から読み解きます。「このまま二酸化炭素が増え続けるとどうなるだろうか?」といった問いから学びをスタートします。
- 深海に炭素を運ぶ「マリンスノー」
プランクトンの死骸などが雪のように海中を降る「マリンスノー」が、海の生態系を支え、さらに炭素を深海へと運び蓄える重要な役割を担っていることを探究します。
- 海が抱える問題と、わたしたちの未来
「磯焼け」など、海で起きている様々な問題を取り上げ、海の環境変化がわたしたちの暮らしにどのような影響をもたらすかを考えます。その上で、海と地球の未来を守るために、今日から自分たちにできるアクションについて探究します。
現場の先生方を強力にサポートする充実の付属資料
第6巻でも、児童・生徒向けの「学習者用テキスト」や「ワークシート」に加え、先生方がスムーズに授業を計画・実践できるよう、充実した教師用サポート資料を完備しています。
- 授業計画と評価を支える「教師用指導書」
主に「総合的な学習(探究)の時間」での活用を想定し、各テーマのねらいや具体的な授業展開例(3コマ用・6コマ用指導案)を収録しています。また、STEAM教育ならではの「正解/不正解」にとらわれない学習評価に合わせ、児童・生徒の思いや行動変容を文章記述で捉える定性的な評価のポイントも解説しており、先生方の評価への不安や負担を軽減します。
- 教科横断のヒントになる「カリキュラムスケジュール」
小学校高学年から中・高等学校までを対象に、年間のどの時期に導入するのが効果的かを例示しています。理科の「光合成」、「食物連鎖」や社会の「環境問題」など、各教科で学ぶ内容をベースにしながら、スムーズに海洋STEAM学習へと発展させられるよう設計されています。
- 単元の繋がりがひと目でわかる「学習指導要領対応マップ」
国語、社会、理科、家庭、道徳など、多角的な教科等と本教材の関連単元を網羅した一覧マップです。学校独自のカリキュラムに合わせた、教科横断的な探究学習の立案にそのまま役立ちます。
- 視覚的に学びを深める「レッスンスライド」
教室のモニター等に投影してすぐに使えるスライド資料です。二酸化炭素の排出・吸収量の比較や、マリンスノーが降る様子のイメージ、磯焼けのビフォーアフターの写真などを大きく提示できるため、クラス全体で視覚的に共有しながらスムーズに授業を進行できます。
今後の展望
JAMSTECでは、本教材が全国の教育現場で広く活用され、次世代を担う子どもたちが海洋科学や地球環境問題への興味・関心を深めるきっかけとなることを期待しています。今後も、研究成果を社会に還元し、充実した教育コンテンツの提供に努めてまいります。
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