写真1:
アカチョウチンクラゲ
深海クラゲの「アカチョウチンクラゲ」(写真1)は、今までめずらしい生き物と思われていましたが(解説1)、実は深海にはたくさんいることがわかりました。
写真2:
ヨコエビがアカチョウチンクラゲにくっ付いています
また、このアカチョウチンクラゲの体にはウミグモ、ヨコエビ、クラゲの子どもなど小さな生き物がくっ付いて生きていて、アカチョウチンクラゲは他の生き物の住み家としての役わりがあることもわかりました(写真2)。
写真3:
翼足類にくっ付いて大きくなるアカチョウチンクラゲの子ども
海に住むたくさんの生き物は、いっしょに生きたり、食べたり食べられたりとおたがいがいなければ困る関係にあります。小さな生き物がアカチョウチンクラゲにくっ付くように、アカチョウチンクラゲも子どもの時は「翼足類(写真3)」というふわふわ泳ぐ貝に付いて成長します。もしこの翼足類が海からいなくなったら、アカチョウチンクラゲは生きていくことができません。するとアカチョウチンクラゲを住み家にしていたヨコエビなどもいなくなり、さらにはこれらを食べてきた生き物もいなくなるかもしれません。このように、1つの種の生き物がいなくなることは、他の生き物をもほろぼし、さらに他の生き物へと
影響を広げていきます。
海の生き物たちは支えあっていますが、温暖化や海の酸性化(解説2)によって海が変わると、影響を受けてその関係がくずれてしまいます。あるものは増え、あるものは減るかもしれません。それによってまた他の生き物も増えたり減ったりするでしょう。どのようになるのかはまだ研究の途中です。研究者はこれからも世界の海にもぐってこの目で確かめながら、生き物の様子や関係を明らかにしていきます。