![](/j/kids/press_release/20110305/img/maru.jpg)
2011年3月5日発表
海の熱が、増 えている!
気候変動予測 の重要なカギ!!
みんなのくらす地球には、太陽の熱がたえ間なくふりそそぎます。地球は、そのふりそそぐ熱とほとんど同じ量の熱を宇宙に放出し、ほんの少しだけを
そして、その吸収する熱によって、海、大気、陸などがあたたまります。
![地球にふりそそぐ太陽の熱](img/fig1.jpg)
図1:地球にふりそそぐ太陽の熱
けれど、この数十年はその吸収する熱が増えています。
海の深層の熱の変化は大気に
![海は熱をたくわえやすいって、どういうこと?](img/q_and_a_01.jpg)
![海には、一度あたたまると冷めにくい性質(せいしつ)があるのです](img/q_and_a_02.jpg)
たとえば、冬に使う湯たんぽ(図2)。エコ活動として、活用するひとも多いかもしれませんね。
![水は熱をたくわえやすい](img/fig2.jpg)
図2:水は熱をたくわえやすい
さて、海の水、海水。大気と比べると海は、熱のたくわえやすさが約4倍、質量が約260倍。なんと、海は大気の約1,000倍の熱をたくわえることができるのです。
![海が熱をたくわえると、どうなの?](img/q_and_a_03.jpg)
![地球全体の気候に関係します](img/q_and_a_04.jpg)
地球にふりそそぐ太陽の熱は
それをうめようと、海流はあたたかいところから寒いところに流れて熱を運びます(図3)。
![太陽からとどく熱は、緯度によってちがう](img/fig3.jpg)
図3:太陽からとどく熱は、緯度によってちがう
その
![熱を運ぶ海流](img/fig4.jpg)
図4:熱を運ぶ海流
もしも、深層の流れが変われば、別の流れも
深層の熱の変化には、気候の変化が表れるのです。だからこそ、気候の変化を理解するためには深層の熱の変化を知ることが重要です。けれど、その深層の熱のくわしい変化はこれまでわかっていなかったので、研究者が
![どんな研究をしたの?](img/q_and_a_05.jpg)
![深層の熱の変化を調べました](img/q_and_a_06.jpg)
1985年、世界の海を海面から海底までくわしく観測する国際プロジェクトがスタートしました。今回研究者は、その観測データの1985年から2007年までを解析しました(図5)。また、その観測データを組みこんだ「データ同化システム」というシミュレーションの実験をしました。
![研究の方法](img/fig5.jpg)
図5:研究の方法
![結果はどうだったの?](img/q_and_a_07.jpg)
![南極海を中心に、深層の熱は増えていました!](img/q_and_a_08.jpg)
南極付近で、水温が最大0.077℃高くなっていました(図6)。その現象は、南大西洋、南太平洋、北太平洋へと広がっていました。
![結果](img/fig6.jpg)
図6:結果
![これからはどうするの?](img/q_and_a_09.jpg)
![さらにくわしく観測をします](img/q_and_a_10.jpg)
海の深層の熱の変化は、定期的にくわしく観測を行って
解説1:垓
10の20乗を意味します。
解説2:ジュール
熱量の単位です。