13:00-13:05 | 開会挨拶 小平 秀一 海域地震火山部門 部門長 |
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13:05-13:35 | 南海トラフのプレート境界断層を詳細に調べて見えてきたこと 中村 恭之 地震発生帯研究センター 主任研究員 日本は周辺をプレート境界に囲まれており、そこで起こる地震や津波に関して知ることは、日本に住む我々の生活にも関わる重要な課題です。みなさんがよく見るプレート沈み込み帯の図はおおよそ正しいのですが、実際はそう単純ではありません。JAMSTECでは、沈み込み帯の実際の姿を調べるために、日本海溝や南海トラフで長年にわたって調査を実施してきました。南海トラフでの最新の研究から見えてきた複雑なプレート境界断層の姿と、近年話題のゆっくり地震との関連についてご紹介します。 |
13:35-14:05 | ニュージーランドでのプレート構造調査 新井 隆太 地震発生帯研究センター 副主任研究員 ニュージーランドは、日本と同様のプレート沈み込み帯にあり、地震の起こり方や火山の分布など日本と多くの共通点があります。ニュージーランドの北島の下には太平洋プレートが沈み込んでおり、将来大きな地震や津波が発生することが危惧されています。こうした地震が発生する場所の性質をより精緻に理解するために、JAMSTECは2017年から2018年にかけて、米国・英国・ニュージーランドの研究機関と共同で、大規模なプレート構造調査を行いました。本講演では、この最新の調査から見えてきた成果を中心にご紹介します。 |
14:05-14:15 | 休憩 |
14:15-14:45 | 津波早期警報のためのHFレーダーを用いたデータ同化: 2022年トンガ火山津波のケーススタディ 王 宇晨 地震津波予測研究開発センター Young Research Fellow JAMSTECは津軽海峡東部の3箇所にHFレーダーを設置し、2014年4月より津軽海峡海表面の流況を常時観測しています。本レーダーは津軽海峡における環境変動の把握を目的としていますが、海峡の流向や流速といった観測データは津波予測にも適用可能であると考えられることから、本研究ではトンガの大規模火山噴火により発生した津波を対象として、その応用を試みました。津波数値シミュレーションにHFレーダーの観測データを組み合わせたところ、沖合の観測網によるデータを組み合わせるのと比較して、沿岸津波の最大振幅予測精度が20%以上向上する結果が得られました。今後、津波の早期検知や沿岸津波高の高精度な予測が期待されます。本研究事例をご紹介します。 |
14:45-15:15 | 小笠原の海底火山「福徳岡ノ場」から1000kmの旅をしてきた軽石は何を語るのか 吉田 健太 火山・地球内部研究センター 副主任研究員 2021年8月に小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が大噴火を起こし、大量の軽石を放出しました。放出された軽石が遠く離れた沖縄や日本列島の各地に流れ着いたのはまだ記憶に新しいでしょう。JAMSTECではこの火山がどのように噴火を起こしたのかを探るため、軽石や、火山近海での調査観測で採取した岩石の徹底的な分析を行いました。今回は、調査船を使った海底火山調査の様子や、ミクロ・ナノの世界から見えてくる火山のダイナミックな活動についてご紹介します。 |
15:15-15:25 | 質疑応答 |
15:25-15:30 | 閉会挨拶 小平 秀一 海域地震火山部門 部門長 |