サンゴなどの同位体分析を学ぶ―コアスクールの濃密な3日間
最先端装置での測定、データ解析、そして成果発表へ。3日間の学びの集大成。
2日目:ストロンチウム同位体比を測定
午前9時、再び実験室へ。いよいよストロンチウム同位体比の測定だ。測定には、マルチコレクターICP質量分析計という最先端装置を使う。まずは装置の調整と並行して、装置の概要の説明。試料溶液中の元素を、6,000℃を超える高温のプラズマ内でイオン化させ、高分解能の質量分析部で分離した同位体イオンの数を重さ別にカウントする。そうして同位体比を精密に測ることができるすごい装置だ。
昨日、有孔虫とサンゴの殻から取り出したはずのストロンチウムはまったく目に見えない!本当にあるのかどうか不安になる。まずは、ストロンチウムの量を装置で確認。全員の試料でストロンチウムのシグナルが無事検出され、ストロンチウムの取り出しは成功したようだ。よかった!
続いて、ストロンチウム同位体比の測定を開始。受講者のストロンチウム試料が1つまた1つと装置に導入され、データがリアルタイムで表示されてゆく。どんな値が出るのか、ドキドキの時間が続く。夕方にはすべての測定が無事終了。が、これで一安心、とはならない!これからが本番だ。翌日の成果発表に向けて、データの整理や解析の作業が始まる。
3日目:データの取りまとめと成果発表
最終日は朝からデータの解析と取りまとめだ。最終課題は、今回の実験の成果をグループでまとめ、他の人たち(酸素・炭素同位体コースの受講者)や講師陣の前で発表すること。午後3時からの発表に向けて、共同で作業に当たる。
受講者は、それぞれ別の有孔虫・サンゴのストロンチウム同位体比を測定しているが、全部のデータを合わせると、いくつかの科学的ストーリーを作ることができる。分析の精度や確からしさを評価するためのデータも同時に取ってある。それらのデータと、講義・実験で学んだこと、データ解析のための基礎資料(講師が提供)をフルに活用し、どうまとめるのかが腕の見せ所だ。
自分たちのデータをどう解釈してどんな科学的ストーリーを作るか、どのようにまとめるかについて決まりはない。正解もない。受講者自身が全員で話し合って決めてゆく。方向性が決まったら、手分けしてプレゼン資料の作成だ。時間が迫る中、大忙しの作業。そして、いざ発表!
閉校式
自分たちの発表について他の受講者からの質問に答えたり、他のグループの発表を聞いて質問したり。講師陣からは時々、穏やかながら鋭いコメントも入る。良かったところも、足りなかったところも、いろいろあるが、そこに満ちるのは全力でやり切った充足感。体験したことはすべて将来の貴重な財産となるはずだ。
閉校式では、閉校式では、一人ひとりに修了証が授与される。受講者からは「同位体分析って面白い」、「自分の研究でもぜひ挑戦してみたい」という声が。それぞれが得た成果と様々な思いを胸に、受講者たちは帰途に就く。次は、研究のためにコアセンターに帰ってきてくださいね!