社会とのあゆみ

社会とのあゆみ

研究と社会をつなぐ現場から

高知コア研究所では、若手研究者の育成や地域との連携、
研究成果を社会に伝える活動に取り組んできました。
このページでは、そのあゆみを紹介します。

  • 地球深部探査船「ちきゅう」が
    高知にやってきた

    2016年、高知新港に地球深部探査船「ちきゅう」が寄港しました。世界最高レベルの掘削能力を持つ「ちきゅう」は、巨大地震発生のしくみや海底下生命圏の解明などを目的とした航海を実施しています。「ちきゅう」の寄港に先立ち、当研究所では関係各所と協力し高知県内で出前授業や講演会を実施しました。「ちきゅう」一般公開には約5,400名が来場し、高知の科学イベントとして大きな盛り上がりを見せ、多くの方が地球掘削科学の最前線を体感する機会となりました。

    地球深部探査船「ちきゅう」

    桂浜を背に入港する「ちきゅう」

  • 小惑星リュウグウをのぞく!

    小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウの試料は、2021年6月に高知コア研究所へ引き渡されました。研究所では、伊藤・富岡らが中心となり、最先端の分析装置を用いて、試料を壊すことなく内部構造や有機物、水に関わる鉱物を詳細に調べています。これらの研究を通して、太陽系の誕生や小惑星の進化、地球生命の起源につながる手がかりを探しています。

    4mmのリュウグウ試料

    4mmのリュウグウ試料(専用容器で輸送)

  • 全国の砂が集結!
    すべらない砂甲子園

    JAMSTEC創立50周年を記念して、2021年に開催された「すべらない砂甲子園」には、全国から50点の砂が応募されました。
    各県代表の砂がトーナメント形式で「どの砂が一番すべらないか」を競い合い、大会は18日間、白熱した戦いが続きました。
    大会の模様は YouTubeで全28話にわたって配信され、多くの人を引きつける盛り上がりを見せました。
    砂や摩擦という身近なテーマを通して、地震や摩擦の科学を楽しく学べる、ユニークな市民科学イベントとなりました。

    対戦の様子

    すべらない砂甲子園の対戦の様子

  • 地球・宇宙のナゾを、
    未来につながる視点で解説

    次世代の子どもたちが地球や宇宙への興味を深め、科学の魅力を感じられるよう、高知コア研究所では一般向け書籍の制作にも取り組んできました。
    『生物がすむ果てはどこだ?』(諸野祐樹著/2022年)は、探査船「ちきゅう」で得られた地層コアをもとに、地底に広がる微生物の世界を描いたノンフィクションです。
    『リュウグウの謎に挑む』(伊藤元雄著/2025年)は、「はやぶさ2」が持ち帰った試料を題材に、研究者たちが協力して小惑星の謎に挑む姿をわかりやすく伝えています。

    執筆者の二人

    書籍を持つ執筆者(左:諸野祐樹、右:伊藤元雄)

  • 若手人材育成!
    J-DESCコアスクール

    高知コア研究所では、大学院生などを対象に、実際の研究試料を用いて地球科学の基礎と最前線を学ぶ「コアスクール」を継続的に開催しています。2005年度から実施しているコア同位体分析コースでは、サンゴや有孔虫を用いた分析を体験し、地球環境変動研究の基盤となる手法を習得します。2024年度からは深部生命圏研究を扱う新コースも開始し、人材育成の幅を広げています。

    • 実習の様子
    • 実習の様子

    研究機器を使った分析実習

  • 研究の現場を体験!
    ひらめき★ときめきサイエンス

    文部科学省科研費事業「ひらめき★ときめきサイエンス」は、生徒や学生が研究機関や大学で行われている専門的な研究を体験的に学ぶプログラムです。高知コア研究所では、自然災害伝承碑を活用した災害学習や、新型コロナウイルス検査に貢献したPCRを題材に、研究の現場を身近に感じられる体験型イベントを実施してきました。

    • 災害碑を参加者

      災害碑を巡るフィールド学習

    • 実験の様子

      PCR操作に取り組む参加者

  • 研究とモノづくりの現場が出会う
    ──専門知と実践知が交わる場所──

    高知の日本酒バーでの出会いをきっかけに、研究者たちの間で交わされた何気ない会話から、「深海酒」という構想が生まれた。一度は実現に至らず、姿を消した計画。しかし5年後、条件がそろったことで、再び動き出す。深海に酵母を持ち込み、酒を造るという試みは、やがて別の広がりを見せていく。本記事では、研究室の外で静かに続いていた仕事の軌跡をたどる。

    土佐深海酒が並ぶ写真

    種類豊富な土佐深海酒