今朝8:00タヒチに入港,これより下船します。
無事本研究航海が終了しましたことをお知らせします。
今回は厳冬期の海況不良のため予定された潜航15回のうち実施できたのは7潜航と,かなり厳しい結果となりましたが,いくつかの重要な成果は得られたものと確信しております。主要な成果は,
1)14Sの巨大溶岩流が,現在までに知られている限りでは世界最大の海底溶岩流であることが判明した。溶岩流の流域は342平方km,体積は少なくともおよそ19立方kmにおよぶ。この溶岩流において4潜航を行い,火口の確認,溶岩流と火口の産状,試料採集を行った。
2)しんかい搭載のサブボトムプロファイラーによって堆積物の厚さを計測,溶岩流がおよそ2万年から3万年前のものであることを特定できた。
3)Sojourn
Ridgeのマッピングを行い,非常に特異な巨大火山活動がオフリッジで起きていることが明らかとなった。この火山活動による噴出物はおよそ700立方kmにもなる。
残念ながら,14Sと並んで最重要潜航点と位置づけておりました8度Sの巨大溶岩流は今回潜航することができませんでした。また,オフリッジ海山のひとつとして重要な目標と考えていた17度Sの海山も潜航できませんでした。
これらの重要な対象については,捲土重来改めて再訪を期したいと考えております。
首席研究者 海野 進 [静岡大学理学部教授]
Scott M. White [Department of Geological Sciences, Univ. South Carolina]

下司信夫 [産業技術総合研究所地質情報研究部門研究員]

岸本清行 [産業技術総合研究所地質情報研究部門主任研究員]
Thomas W.C. Hilde [Department of Geology & Geophysics, Texas A&M
University]

John
Sinton [Department of Geology & Geophysics, University of Hawaii]