JAMSTECでは、破局的噴火を引き起こす大規模カルデラ火山の活動の理解を目指して、大規模カルデラ火山由来の火山噴出物やそれらに対比し得る広域テフラの化学組成データベースの構築を進めています。鬼界カルデラデータベースに続いて、姶良カルデラのデータベースを公開しました。日本列島各地の地域地質や第四紀学、考古学分野等、多様な研究を網羅的に調査し、統一したフォーマットで統合したのが本データベースです。本データベースは特に溶岩及び砕屑物の化学組成に着目していますが、火山ガラス等の屈折率、年代情報や詳細な採取位置など化学組成以外の数値情報や、地質ユニットや岩石記載など数値化できない情報も同時に収録しています。データベース構築に当たっては、文献を横断して、岩相や地質ユニットなどの記載も統一基準に基づいて再構成しています。データベース構築の詳細は、文献[1]をご参照ください。
[1]上木賢太, 原口悟, 吉田健太, 桑谷立, 浜田盛久, Iona McIntosh, 宮崎隆, 羽生 毅 (2023), 噴出物データベース構築にもとづく鬼界カルデラ噴火の総合理解, 火山, 第68巻5号.