システムヒストリー

有人潜水調査船「しんかい2000」

海洋調査船「なつしま」
- 「しんかい6500」の誕生
- 1970年代の中頃、深海潜水調査船建造のための技術開発研究が海洋科学技術センター(当時。現在の海洋研究開発機構:JAMSTEC)で始まりました。当時の日本は深海潜水調査船の建造経験はなく(浅い深度の潜水船は造られていました)、技術も完成されてはいませんでした。そこでいきなり6,000mを目指すのではなく、まずは中間段階として2,000m級潜水調査船を建造し、技術の開発と向上を図ることになり、1981年に日本初の深海潜水調査船「しんかい2000」が完成しました。
その後「しんかい2000」の実運用を通じて日本の深海調査技術は飛躍的に向上し、日々高度化する研究者の要望にも応えながら潜航を積み重ね、それらの経験を最大限活かして造られたのが「しんかい6500」です。
2004年4月より、「しんかい6500」の運航・管理業務は、日本海洋事業株式会社に委託されています。
2017年6月 | 有人潜水調査船「しんかい6500」1,500回潜航達成 |
---|---|
2017年 | OCTANS(光ファイバージャイロ)をリングレーザージャイロを搭載したINS(慣性航法装置)に交換 流向流速計をADCP(超音波流速計)に交換 ADSIII(総合情報表示装置3)をADSIVに交換(CAN通信採用で小型化) 耐圧殻内の大改修(研究者観測スペースの改善) マニピュレータ及びサンプルバスケットを25cm前方へ移動 |
2016年 | 水中投光器全7灯LEDライトへ交換完了 |
2015年 | Shinkai Track(航跡表示装置)搭載運用開始 |
2014年 | マニピュレータをTitanIIIからTitanIVへバージョンアップ 水中投光器(メタルハライド)からLEDライトへ順次交換を開始 |
2012年3月 | 推進操縦装置等の改造工事を完了 |
2010年 | 水中テレビカメラをハイビジョンカメラに交換 |
2008年 | 前方障害物探知ソナーをさらに小型のものに交換 |
2007年3月 | 有人潜水調査船「しんかい6500」1,000回潜航達成 |
2004年 | ジャイロコンパスを機械式のコンパスからOCTANS(光ファイバージャイロ)に交換 |
2004年 | スチルカメラをデジタルカメラに交換 |
2003年 | 主蓄電池セルをリチウムイオン電池に交換 |
2003年 | 水中テレビカメラを軽量のものに交換 |
2001年 | ビデオカセットレコーダーをS-VHSからDV-CAMに交換 |
2001年 | 船内照明灯を電球からLEDに交換 |
2000年 | 深度計を高精度の物に交換 |
2000年 | 総合情報表示装置を交換 |
1999年8月 | 通算500回潜航達成 |
1995年 | マニピュレータの交換に合わせ、左側のサンプルバスケットを増設 |
1995年 | マニピュレータを力が強く反応の早いものに交換 |
1995年 | 前方障害物探知ソナーを小型のものに交換 |
1994年 | 水中投光器をハロゲンライトからメタルハライドライトに交換 |
1993年 | 総合情報表示装置をバブルカセット(磁気メモリで記録)からノートパソコンに交換 |
1992年 | 自動針路保持装置を新規搭載 |
1991年11月 | 通算100回潜航達成 |
1991年 | 音響画像伝送装置を新規搭載 |
1991年 | 調査潜航開始 |
1990年6月 | 訓練潜航開始 |
1990年4月 | しんかい6500システム完成 |
1989年11月 | しんかい6500引き渡し |
1989年8月 | 造船所による公式試運転で、三陸沖日本海溝にて最大潜航深度6,527mを記録 |