平成30年度公開シンポジウム「変わりゆく気候と自然災害」

プログラム

13:00

開会挨拶

文部科学省

13:05

全体説明

住 明正PD
文部科学省技術参与/東京大学未来ビジョン研究センター特任教授

13:15

講演1
気候変動適応推進のための
気候予測シナリオへの期待

肱岡 靖明
国立環境研究所気候変動適応センター
副センター長

13:50

講演2
気候変動予測データから描き出す
将来の災害リスク
~気候変動に適応するために~

竹見 哲也
京都大学防災研究所 准教授/テーマD

14:25

休憩

 

14:50

講演3
気候変動を予測/再現するための
地球システムモデルの開発
〜地球システムモデルでは何がわかるのか〜

芳村 圭
東京大学生産技術研究所 教授/テーマA

15:25

パネルディスカッション

コーディネーター
木本昌秀PO
文部科学省技術参与/
東京大学大気海洋研究所 教授

パネリスト(4名)
・馬場健司
 東京都市大学環境学部教授
・講演者(肱岡 靖明、竹見 哲也、芳村 圭)

16:10

閉会挨拶

原澤英夫PO
文部科学省技術参与

16:15

閉会

 

 

PD(プログラム・ディレクター)からのメッセージ

 2019年度公開シンポジウムによせて

住 明正  すみ あきまさ
統合的気候モデル高度化研究プログラム 
プログラム・ディレクター
文部科学省技術参与
東京大学 未来ビジョン研究センター 
特任教授

 2019年も、やはり、「暑い夏」となった。関東地方では、7月中旬頃までは梅雨寒が続き、一部からは、「冷夏の可能性」も語られた。しかし、7月下旬の梅雨明け後、一転して真夏日、猛暑日が連続する事態となった。また、台風の上陸、北九州の集中豪雨など、相変わらず豪雨が発生している。ここまで「猛暑や豪雨」が続くと、「やはり気候が変化している、暑い気候に変化したのだ」と、改めて思い直した人も多かったことであろう。

 それでは、我々はどうすればよいのだろうか?地球温暖化に伴う気候変動に関しては、一般的に、我々のとるべき態度は2つあるといわれている。緩和と適応である。緩和とは、要因となっている二酸化炭素を中心とする温室効果気体の排出を減らすことが中心の取り組みである。具体的には、化石燃料による発電を自然再生エネルギーに変えるなどの取り組みである。しかし、現在の社会・経済システムの大幅な変化を必要とするために、様々な関係者や既存の利益保持者との調整が必要となり、なかなかと有効な手を打てずにいる。緩和に取り組んでいる間にも、様々な気候変動が起きる。そこで、それにそなえるような対策を用意する必要があるということになる。それが、適応ということである。

 適切な適応を行うためには、将来の気候変動がどの程度のもので、どのくらいの頻度で起き、どのような影響をもたらすのか、そして、被害額はどの程度か、それに適応するために要する費用はどの程度か?など様々な情報が必要となる。ここで問題となるのは、いずれも将来のことであり、不確実性のあることである。
統合的気候モデル高度化研究プログラムは、将来の気候変動の様子を表現する気候モデルをさらに高度化するとともに、より信頼性のある影響評価情報を、地域のスケールで提供する方法を開発・研究することを目標としている。研究は、3年目であり、まだ、研究は進行中ではあるが、いくつかの新しい興味深い成果が得られている。そこで、現在得られている成果を報告するとともに、気候モデルで得られる情報を、より具体的な課題にいかに適用してゆくか?という問題について関係者と議論を行いたい。

 適応という施策は、不確定を伴う情報が与えられるという条件下で、如何に最適な行動をとるか?という問題に答えることである。その際には、より信頼のできる将来予測と影響評価が不可欠となる。そして、これらは、大学・研究機関での研究開発と、現場での日々の経験との交流の中から生まれてくると思う。本シンポジウムが、そのような交流の一助となれば、望外の幸せである。